3つの財布 欧州銀行株式ファンド(毎月分配型)という地盤沈下ファンドからどんどん資金が流出

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「3つの財布 欧州銀行株式ファンド(毎月分配型)」という投資信託があります。

一時は200億円に迫る純資産があったようですが、どうしようもない運用成績に投資家が失望したためか、2016年5月13日現在は120億円にまで減少しているようです。

分配金をひねり出すために、欧州銀行株式のオプション取引と通貨オプション取引を駆使して、オプションプレミアムを獲得する戦略が裏目に出たようです。

基本情報

設定日:2014年10月15日

償還日:2024年10月15日

決算:毎月14日

運用管理費用(信託報酬):税抜1.99%程度

購入時手数料:税抜3.5%以内

信託財産留保額:0.3%

委託会社:カレラアセットマネジメント

参考 交付目論見書

参考 月次レポート

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カレラアセットの交付目論見書ではおなじみの3人衆(イメージキャラクター?)がここにも登場しています。

運用成績

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分配金込み基準価額(赤色の線)が下落し始める2015年8月ごろをピークに純資産が下落の一途をたどっていきます。

ほったらかし投資の対極にあるような逃げ足の速い短期目線のマネーが、このファンドに集まっていたのでしょう。

しかし、多くの含み損が出ていようと、このファンドと縁を切るのは賢明な判断です。

このファンドはベンチマークを設定していないので、モーニングスターで比較対象を探してきました。

投資対象はユーロ圏の銀行株式なので、今回はMSCIユーロ(配当込、円ベース)と比較することにします。

3つの財布 欧州銀行株式の1年トータルリターンは-22.41%、MSCIユーロは-15.31%です。

どうやら、7%程度、ユーロ株式全体のパフォーマンスに劣後しているようです。

投資家は銀行セクターに集中投資するリスクを背負い込むのですから、時価総額インデックスを上回る収益をあげていなければ存在価値はありません。

平均的な投資家は大局的な判断を誤りやすいものですが、今回ばかりは投資家の判断が正しかったといえるでしょう。

ユーロ圏銀行平均予想配当利回りはそこそこ魅力的か

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単純に配当利回り(5%程度)だけをみるとインカム志向の投資家にとっては魅力的な水準になっているようにも思えます。

ユーロ圏を覆うマイナス金利のダメージから銀行セクターがいつ回復するかはわからないので、時価総額インデックスを上回るリターンを銀行セクターがもたらすかはわかりませんが・・・(個人的には下回ると予想)

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インデックスを上回るリターンを銀行セクターが生み出すと予想する場合でも、このファンドは欧州銀行株式プレミアム23.40%、通貨プレミアム9.29%というペテン的な収入源を作っているため投資対象には適しません。

オプション取引の手数料控除後の期待リターンはマイナスですから、長期的には運用成績を落とすだけなのです。

高配当という言葉に特別な魅力を感じる人は、高コストなうえ運用成績が残念なこのファンドではなく、高配当株式に投資する海外ETFにでも投資しましょう。

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