日本企業の外貨建て社債に投資する「SBI-PIMCOジャパン・ベターインカム・ファンド(愛称:ベタイン)」はホームバイアスファンド

SBIグループとPIMCO社共同の第1号ファンドとして、SBI-PIMCOジャパン・ベターインカム・ファンドが6月30日に設定されます。

このファンドは為替ヘッジ付きで外貨建て社債に投資するアクティブファンドとしては、低コストでチャレンジ精神を感じます。

しかし、肝心の投資対象が日本企業の社債に限られていますから、自国の資産を過剰に選好するホームバイアスが丸出しで投資対象としては不適格な投資信託となっています。

為替ヘッジをかけて、外貨建ての社債に投資するというシンプルなアクティブファンドであれば、まだ使い道があったかもしれませんが…

基本情報

設定日:2016年6月30日

購入時手数料(税抜):上限2%(SBI証券のインターネット経由での取引なら無料)

信託財産留保額:なし

信託報酬(税込):年0.572%

決算日:毎年6月29日

信託期間:2026年6月29日まで

参考 交付目論見書

概要

運用先は格付けがA以上の日本企業の外貨建て社債に限定されています。

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また、為替ヘッジが付いているため、為替変動による影響は無視できます。

SBIボンド・インベストメント・マネジメントの堀井正孝社長は、次のように語っています。

当初は20銘柄で、残高が膨らめば徐々に増やしていく方針だ。対象が金融機関に偏らないよう留意するが、細かい組み入れ比率より日本の優良企業であることを重視する。

引用 野村やソニー債をウォール街から逆輸入、SBIとPIMCOもタッグ – Bloomberg

目論見書や上に引用したBloombergの記事では、外貨建てなら優良日本企業の社債でも、相対的に優れたリターンを得ることができることがこのファンドに投資する利点として紹介されています。

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外貨建て日系社債ファンドをなぜ作ったのか?

SBIボンド・インベストメント・マネジメントの堀井正孝社長は(中略)「日本を代表する企業なら大丈夫かどうか個人が肌感覚で分かるし、為替リスクを100%ヘッジしているのに仕上がりの利回りはかなり高くなる」と説明した。

「外国企業はよくわからないけど、日本を代表する企業なら大丈夫かどうか分かるから投資したい」というホームバイアスに陥っている投資家からの買い需要が見込めるため、日系企業の外貨建て社債に投資するファンドを組成したのでしょう。

しかし、日本企業に社債にあえて集中投資する意義を私は感じません。

万が一、日本そのものが総崩れ的に地盤沈下するようなことがあれば、優良社債だろうと何だろうとドカンと損失を出す可能性がありますから。

「為替リスクを100%ヘッジしているのに仕上がりの利回りはかなり高くなる」という発言は確かにその通りで、事前シミュレーションでは、為替ヘッジ後の利回りが1.74%という大きいな数字になっています。

ですが、どうせ為替ヘッジを活用するのですから、アメリカ企業の社債にも投資の幅を広げたほうが、運用効率は上がると思われます。

日本のカントリーリスクを全力で背負いにいかずに、素直に米企業の社債にも分散投資したほうが、リスク・リターン比は改善するはずです。

おわりに

今回ご紹介した「SBI-PIMCOジャパン・ベターインカム・ファンド」に、私は投資する気はありませんが、信託報酬が0.572%とアクティブファンドとしては低コストなのは評価できるポイントです。

購入時手数料も、インターネット経由なら無料です。

高コスト投信、インデックス投信に次ぐ、第3勢力としての低コストアクティブ投信の台頭に、今後も期待していきたいところです。

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