「たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略」が市場平均に劣後しているという現実

「たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略」という低コストアクティブファンドがあります。

信託報酬は税抜で0.9%と、インデックスファンドには敵わない高さですが、低ボラティリティと高配当を組み合わせた投資戦略は市場平均を上回ることができるのではないかと投資家に期待させるものでした。

理想と現実

ミニマム・ボラティリティ指数の輝き

過去10年の話ではありますが、新興国株式市場ではリスクが低い銘柄群ほどリターンが高いという現象が発生していました。

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ミニマム・ボラティリティ指数には、為替相場に左右されやすい外需株や景気敏感株がアンダーウエイト、生活必需品やヘルスケア銘柄がオーバーウエイトで組み込まれる傾向があります。

生活必需品セクターやヘルスケアセクターの銘柄の市場平均に対する長期リターンの高さは新興国株式市場でも発揮されているというわけです。

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出典 モーニングスター [ アナリストの視点(ファンド) 新興国にマネー殺到―“勝ち組”投信、賢い指数にヒント  2016-08-18]

新興国株式ファンド全体の統計としても、リスクが低い投信ほどトータルリターンが高い傾向がはっきりと表れています。

新興国株式低ボラティリティ高配当戦略の停滞

私は、「たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略」には、リスクが低い投信ほどトータルリターンが高い傾向を活かして、市場平均を上回る運用の実現を期待していましたが、そう簡単にはいかないようです。

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出典 たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略(月報)

ファンドが設定された3月末から7月末までの基準価額の推移をみると、参考指標であるMSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)を上回っていた時期もあったものの、現在は逆転されて市場平均に負けていることがわかります。

設定来の成績は-2.19%、参考指標の成績は-1.28%となっています。

元々、ファンドの信託報酬が0.9%(税抜)と割高感がぬぐえない水準であることも災いしてか、0.91%市場平均に劣後する結果となっています。

おわりに

新興国株式では高配当ETFが市場平均に劣後していることをご存知の方もいるでしょうが、たわらノーロードplusの低ボラティリティと高配当を掛け合わせた珍妙な投資戦略が裏目に出たと思います。

低ボラティリティ、高配当というファクターに目を付けたのは決して間違いではありません。

しかし、アクティブファンドという形式では、高コストさがリターンを目減りさせてしまいます

低ボラなら低ボラ、高配当なら高配当に投資したい私にとっては、低ボラティリティと高配当を掛け合わせる投資戦略も気に入りません。

SMT日本株配当貴族インデックスオープンやSMT米国株配当貴族インデックスオープンのようなインデックスに連動するシンプルな低コストファンドの登場が新興国株式でも待ち望まれます。

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