個人凍死家?が殺到して、設定間もない「グローバルAIファンド」が900億円の資金を集める

三井住友アセットマネジメントは「グローバルAIファンド」を9月9日に設定しました。

「グローバルAIファンド」は、人工知能(AI)関連銘柄に投資するテーマ型投信となっています。

参考 グローバルAIファンド(販売用資料)

2016-09-10_20h10_24

ロボティクス、IoT、フィンテックといった個人投資家が好むテーマとの関わりも深いと販売用資料では説明されています。

純資産総額は900.82億円、信託報酬は税抜1.75%となっています。

設定間もないにもかかわらず、900億円もの資金を集めるという人気ぶりです。

成長期待はすごい

2016-09-10_20h20_11

販売用資料では、「2015年から2024年にかけてAI関連企業の売上⾼は、年平均56.1%で成⻑し、2024年には1,112億⽶ドル(約11.5兆円)にまで拡⼤する」とAI企業の展望の明るさが強調されています。

また、成功したIT企業の過去の株価パフォーマンスを引き合いに出して、「グローバルAIファンド」に投資すれば、高い収益をあげられるという印象を投資家に与えるものになっています。

2016-09-10_20h30_38

しかし、AI関連銘柄という投資家からの成長期待を集めているホットなテーマに投資信託で長期投資するのは止めておいた方がいいでしょう。

投資家の期待を上回る企業収益の伸びがなければ、株式投資におけるパフォーマンスは市場平均を下回る悲惨なものになります。

この投信のモデルポートフォリオのバリュエーションは割高としか言いようがありません。

2016-09-10_20h45_47

予想PERは67.2、PBRは13.4となっており、この割高さを正当化できるレベルの収益成長は実現できるようには思えません。

おわりに

「グローバルAIファンド」への長期投資は、報われない悪い意味での長期凍死になる予感がします。

テーマ株へ投資するのであれば、相場を読んで適切なタイミングで「安く買って、高く売る」ことが求められます

しかし、多くの個人投資家はそのような芸当はできず、含み損を抱えて身動きが取れなくなる凍死の状態になり、含み損が解消されたら「やれやれ売り」をするというのがよくあるパターンです。

インデックスファンドと違って、このAIファンドの場合は、一度テーマの熱が冷めて基準価額が暴落したら、元の地点に戻ってくるかどうかは不明ですから、「やれやれ売り」の機会すら投資家には与えられないかもしれません。

成長期待銘柄ばかりが組み込まれている「グローバルAIファンド」への投資など、するべきではないのです。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ

コメント

  1. メイジ より:

    こんにちは。いつも楽しく記事を読ませていただいています。

    さて、テーマ型の投資信託ですが、私もかつてのITバブル時代に買って痛い目に会いました。記録を見ると1999年9月から2000年6月にかけて大和証券で「デジタル情報通信革命」を3回に分けて購入しています。その後ITバブルは弾け、2008年1月に買値のほぼ半額で泣く泣く売却しています。当時、ITテクノロジーの将来性にワクワクした感覚は今でも思い出せます。いつの時代も同じような感覚で投資する人は絶えないという事なのでしょうね。

    • わかま屋 より:

      メイジさん コメントありがとうございます。

      ITバブルの時代には、ジャーディンフレミング投信のファンドマネジャーだった藤野英人さんが光通信への投資で大きく稼いだ後に、大きな損失を出したという逸話もありますし、当時はIT銘柄を中心に市場が動いた時代だったんでしょうね。

      ITバブルを市場の中で経験していない私には、メイジさんの実体験に基づくコメントはとても参考になりました。ワクワク感のない投資は味気のないものですが、相場の暴落でワクワク感がハラハラ感や絶望感に転化してしまっては元も子もありません。テーマ型投信への警鐘は今後も鳴らしていきたいと思います。