【低コスト投信】ひとくふう先進国株式ファンドの銘柄チョイスのセンスはなかなかいい

インデックス投資界は、ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズの信託報酬引き下げのニュースで大フィーバー状態です。

私も記事にしようかと思いましたが、今更これを記事にするのは周回遅れな感じもありますから、どうしようかと思っていた矢先に、「ひとくふう先進国」は誰も記事にしていないという情報をツイッターで小耳にはさみましたので、ひとくふう先進国株式ファンドを取り上げることにします。

基本情報

信託期間:無期限

決算:3月3日

運用管理費用(信託報酬):税抜0.3%

購入時手数料:なし

信託財産留保額:なし

委託会社:大和住銀投信投資顧問

参考 交付目論見書

参考 月次レポート 2016/09

概要

ひとくふう先進国株式ファンドはMSCIコクサイ・インデックス(日本を除く先進国が対象)から、バリュエーションや価格変動リスクの点で投資妙味のある銘柄を抽出し、投資するアクティブファンドです。

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先進国インデックスファンドの低コスト王者であるニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬は、引き下げ後で税抜0.2%です。

ひとくふう先進国の信託報酬(税抜)は0.3%ですから、その差は0.1%ということになります。

この差をどう捉えるかは人それぞれですが、アクティブ投信として異例の低コストであるひとくふう先進国の頑張りは高く評価してもいいと思います。

上位の組み込み銘柄

2016年9月末時点のひとくふう先進国とニッセイ外国株式の上位組み込み銘柄の比較をしていきます。

ひとくふう先進国株式ファンド

ひとくふう先進国の組み込み上位10銘柄は以下のようになっています。

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エネルギー企業のロイヤル・ダッチ・シェルやタバコ企業のアルトリア、フィリップモリス、ヘルスケア企業のユナイテッドヘルス、生活必需品銘柄のCVSヘルスといったシーゲル派に人気であろう優良企業が上位に組み込まれています

過去、高リターンを記録してきた防衛セクターの企業であるロッキード・マーティンも2%組み込まれています。

このファンドの銘柄選定眼はなかなか優秀だと思うのですが、読者の皆さんはどう思われるでしょうか。

S&P 500に連動するバンガードのETF、VOOが最上位に組み込まれているのは意外な感じもしますが、キャッシュの積み上がりを防いでフルインベストメントに近い状態を維持するためには必要な措置なのかもしれません。

今回上位になっている企業は日本でもある程度、名の知られた企業ばかりですが、自分の知らない企業が入っていた場合に、いちいち企業の概要を調べるのは面倒です。

そうした観点から見ると、それぞれの銘柄の概要が書かれているのは月次レポートのわかりやすさを上げるという点で意義のある試みで評価したいと思います。

 ニッセイ外国株式インデックスファンド

ひとくふう先進国の競争相手であるMSCIコクサイ・インデックスに連動するニッセイ外国株式のポートフォリオは以下のようになっています。

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参考 月次レポート 2016/09

おなじみの大企業群がずらっと並んでいます。

現金、その他の比率は0.2%と低く、ひとくふうが短期金融商品等として抱え込んでいる5.5%を大きく引き離しています。

株式投資は正の期待リターンを持っていますから、ひとくふうのキャッシュ割合の高さが長期間続くとなると、インデックスファンドに劣後する可能性が増してきてしまいます

ひとくふう先進国株式の残念なパフォーマンス

モーニングスターで、運用開始以来のひとくふう先進国の運用成績をMSCIコクサイ・インデックスと比較したところ、見事にアンダーパフォームしていることが判明しました。

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ひとくふう先進国が-1.9%の含み損状態である一方で、MSCIコクサイは-0.55%しか損失を出していません。

下げ相場にはMSCIコクサイに連動するかのように連れ安していくにもかかわらず、上昇相場では低ボラティリティぶりを発揮して取り残されていることがこの惨状の原因でしょう。

低ボラ系のポートフォリオ構成ですから、上昇相場で取り残されるのは致し方ありません。

しかし、下げ相場でのドローダウンを市場平均より小さく抑えることが低ボラ戦略のリターンの源泉であることを考えると、残念な結果としかいえません。

このファンドは、今年8月末に設定されたばかりの若いファンドですから、今後の巻き返しに期待したいところです。

もっとも、低ボラティリティ戦略が過去に高成績を収めてきた実績があるとしても、今後良好なパフォーマンスが維持されるかは未知数です。

低ボラファンドは、市場の不確実性の高まりを背景に人気を集めていますが、人気の高い投資戦略はその優位性が霧散してしまうのが常なのですから。

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