純資産が急増したわけでもないのに米国株への投資を開始したさわかみファンドの迷走

「さわかみファンド」という日本株アクティブファンドがあります。往時は個人投資家の間で人気を誇りましたが、運用成績のTOPIX化とともに注目されないファンドとなりました。

下のモーニングスターチャートの通り、2017年後半から、TOPIXに対して「さわかみファンド」は盛り返しを見せているものの「ひふみ投信」に対する劣勢ぶりは誰の目にも明らかです。

優れた運用成績によるひふみ人気の高まりと反比例するように、投資家界でのさわかみの存在感は低迷し、忘却されていくというのが、昨今の傾向であると私は思います。

ひふみに対する反転攻勢を企図したものなのか、「さわかみファンド」が今回初めての外国株投資に乗り出します。投資先はアメリカのオラクル、4月末の組み入れ比率は0.07%となっています。

参考 さわかみファンド、初の海外株運用 草刈CIOに聞く日本経済新聞

ひふみ投信の米国株進出事例

「ひふみ投信」は、カンブリア宮殿でテレビ放映された後に純資産が急増しました。純資産が増えると、ファンドとしての運用効率は低下していきます。小型株ファンドであるひふみでは、なおさらのことです。そこで、運用効率を低下させずに、ファンドを運用していくための策として、大型米国株への投資が選ばれました。

ひふみは、今年4月末時点でビザ(組み入れ比率1.9%)アマゾン(同1.9%)、マイクロソフト(同1.8%)に投資しています。ひふみが米国株に進出した当初は「素人じみた銘柄選択だ」と批判する声もありましたが、今のところはハイテク株ブームの波にうまく乗れているように見えます。

純資産増への対応が順調なこともあり、今日では、ひふみシリーズは純資産7600億円という堂々たる威容を誇るまでになりました。

さわかみの判断にひふみが影響をもたらしたのは間違いない

「さわかみファンド」の純資産は3200億円ほどです。凡庸な運用成績が続いたため、ここ3年間は純資産はおおむね横ばい傾向にあります。さわかみはひふみと違い、大型株寄りのファンドです。ひふみのように爆発的な純資産の増加が起こっているわけでもない大型日本株ファンドで米国株に進出する必要性が本当にあるのか、私は疑問に思っています。

ひふみが米国株進出に成功している姿を見て、「じゃあうちも米国株に進出しよう」となったようにしか見えません(想像の域を出るものではありませんが)。ひふみが米国株でうまくいっているからと言って、さわかみが米国株で成功する保証はどこにもありません。必要性を感じられないさわかみの米国株進出に、私は迷走と不安しか感じられません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。