GPIFが運用に失敗したら年金の支給額は減額だけど、運用しなければしないで支給額が足りなくなる袋小路

GPIF年金運用損10兆円以上、だが累計運用益は民主党時代の約2.5倍
昨今の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、前期比10兆円以上の損失額を計上していると室橋祐貴さんは予想しているようです。
安倍首相の「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」との発言を受けて、お怒りの方が多数おられるようです。


長期投資の概念が国民に浸透していない日本ですから、非難ごうごうの状態になるのも理解できます。
ポートフォリオでの株式割合を増やした際にも、国民に理解を浸透させるために必要な説明が行われませんでした。
暴騰と暴落を繰り返すのが株式市場の常です。
今回の件は起きるべくして起きた人災といえるでしょう。
国内株式25%、外国株式25%、国内債券35%、外国債券15%という安倍政権からのGPIFの新ポートフォリオを、私は気に入っていません。
株式部分が日本株に明らかに偏重しているからです。
現在、日本株が時価総額比で世界の株式市場に占める割合は8.6%に過ぎませんから、株式部分の内訳では日本株に50%も投資する現在のポートフォリオだと日本にオーバーウエイトで投資していることになります(下の画像は『わたしのインデックス』より)。
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これだと、ポートフォリオの値動きに占める日本株の割合が大きくなりすぎて、国際分散投資とはいえません。
バブル経済の終焉後に圧倒的な低リターンを投資家に提供してきたのが日本株ですから、あえてオーバーウエイトで投資する合理的な理由はないと考えられます。

運用してもしなくても支給額は足りなくなる

年金の苦しい財政事情は主に、支給額に対して新たに徴収する年金保険料が少ないことからきています。
現在、基礎年金をまかなう財源の半分は一般会計が負担しています。
要は、国民の納付した保険料以上の給付を国が負担する構図となっているのです。
年金を100年安心な制度にするには、支給額を減らすか支給開始年齢や保険料を引き上げるしかありません
GPIFの資産運用によってカバーされている部分は公的年金のうち、たった8%程度に過ぎません。
仮に、運用に失敗して半分ぐらい溶けてしまったとしても、年金制度が崩壊してしまうような大ダメージはありません
これまで世界の株式は長期的にはリスク相応のリターンを投資家に還元してきました。
日本株偏重のポートフォリオに文句を付けたいですが、私としては50%程度までならGPIFの株式運用を許容してもよいと考えています。
運が悪いと支給額の減少なり、支給開始年齢や保険料の引き上げの度合いが悪化するでしょうが、株式への長期投資の期待リターンはプラスですから悪い賭けではないでしょう。

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