低コストなアクティブ投信ほど市場平均との勝率が上がるので、アクティブ投信にとって低コスト化は最重要

NIKKEI STYLEに田村正之さんによる良記事がありましたのでご紹介します。

この記事は、iTrustやひとくふう、たわらノーロードplusといった低コストアクティブファンドシリーズの登場を受けて書かれたものです。

参考 積極運用でも低コスト 投信「第3勢力」の実力 |マネー研究所|NIKKEI STYLE

iTrustシリーズの反響

記事では、「iTrust世界株式(i世界株式)」を筆頭とするiTrustシリーズに好意的な投信ブロガーが多いと紹介されています。

発売後1カ月強がたち、ネットでは投信に詳しい投信ブロガーなどから「そそられる」「低コストアクティブという黒船がやってきた」「情報提供が充実している」など、新規アクティブ投信では珍しく評価の声が増えている。

実際、低コストアクティブという衝撃はなかなか大きかったですし、豊富な図表にアクセスできるiInfoは予想以上に充実しています。

iInfoの充実度合いからは、ピクテ投信投資顧問が真摯にiTrustシリーズに取り組む姿勢が感じられるので、今後の運用成績にも期待したいところです。

高コストファンドほどインデックスファンドに負ける

アクティブファンドは市場平均指数を超越するリターンを上げることを目標としていますが、実際に超過リターンを上げることができるのは、そのうちの3分の1程度に過ぎません。

その内訳をみてみると、低コストなアクティブ投信の勝率が高い一方で、高コストなアクティブ投信の勝率は低いことが判明しています。

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記事から転載した上の表でいえば、10年の期間では、低コスト上位25%の投信は62%の勝率、高コスト上位25%の投信は25%の勝率でした。

これだけ圧倒的な差がついているのですから、低コスト投信が代替可能な選択肢としてある限り、高コスト投信に投資する旨みは全くありません

アクティブファンドにとって、市場平均に勝つことは至上命題であり、存在意義でもありますから、低コスト化はインデックスファンド並みかそれ以上に重要な要素になるといってもいいでしょう。

第3勢力(低コストアクティブ)の台頭にいいね

iTrustのほかにも、ひとくふう、たわらノーロードplusといったスマートベータ型の投資信託の設定が最近、相次いでいます。

記事ではこれを低コストインデックスと高コストアクティブに次ぐ、「『低コストアクティブ』という『第3勢力』の台頭」と評しています。

アクティブファンドのほとんどが信託報酬1.5-2%ぐらいの高コストなファンドでしたから、投資信託通の人からはアクティブファンドはダメと烙印を押されることが多かったかと思います。

信託報酬を最低限の水準に抑えて、市場平均を上回ろうという骨のあるファンドが増えてくれると投資信託界も盛り上がりそうでうれしいです。

スマートベータに関する個人的見解

スマートベータ型の投資信託は、中身を見ると下手なアクティブファンドよりも大胆に構成銘柄を選出していることが多いので、たとえインデックス連動のものでも実質的にはアクティブファンドだと思っておいた方がよいでしょう。

アメリカのスマートベータ系ETFには、高配当、最少分散、クオリティ、バリュー、サイズ、モメンタム、増配、自社株買いと、いろいろなラインナップが揃っているようなので、日本でもまだまだラインナップを拡充する余裕がありそうです。

かゆいところをピンポイントにかいてくれている感じの無い最近のeMAXISのラインナップ拡充ですが、こういう所を狙ってくれると需要がありそうだと思うのですが…

日本上場のマニアックなETFは薄商いで万一の際の流動性に信用がおけないため、投資信託形式で出してくれるのが個人投資家にとっては実用性が高いと考えられますからね。

バンガードのアクティブ投信の総経費率は安い

記事によると、バンガードのアクティブ型株式投信の総経費率(日本の投資信託の実質コストに相当)は年0.27%だそうです。

ちなみに、同種のアクティブ型投信の平均は1.04%とのことです。

インデックスファンドに相当するくらいの激安プライスですが、バンガードのアクティブ投信はしっかりとした結果を出しています。

「投信評価会社リッパー社によると、15年末現在で同種のアクティブ型投信の平均に比べ、バンガードは株式投信では過去5年では91%、過去10年では97%が勝っている。債券投信では過去5年で86%、過去10年で95%の勝率だ」

他のアクティブ型投信に勝ったということがインデックス型投信に勝ったということを意味するわけではありませんが、低コスト化は投信の長期的なリターンを引き上げるうえで有能なファンドマネジャーより、大きな役割を果たすことは確かです。

過去の高パフォーマンスやバックテストの結果は、将来の成績を保証するものではありません。

しかしながら、無用な為替取引やオプション取引を組み込んだ複雑な商品設計のおけげで低成績が続いているポンカスファンドもありますので、それを淘汰する役割をニューフェイスの投資信託たちに期待していきたいと思います。

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