円高進行局面で発揮される為替ヘッジ付き債券の真価

米ドル=円相場は、2016年2月には121円を付けていましたが、5月初めには105円と急速に円高方向に相場が動きました。

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外貨建て資産を保有されている方は含み益の減少なり含み損の拡大なりダメージを受けたでしょうが、TOPIXや日経平均株価も大きく値を下げています。

日本株の「為替リスク」と国際分散投資

日本株に為替リスク(円高になると評価額が減って、円安になると評価額が増える)はありませんが、為替要因での値動きが無視できない程度に大きいという意味では、「為替リスク」はあるといえます。

TOPIX (配当込み)の直近30年の運用成績(2016年3月末基準)もよくありませんでした。

『S&P 500 (配当込み) (円) インデックス』のリターンは8.2%、リスクは19.5%、シャープレシオは0.4となっています。

一方、我らが『TOPIX (配当込み) インデックス』のリターンは1.4%、リスクは19.6%、シャープレシオは0.1となっています。

アメリカの株式という成功例を比較対象にするのも日本株にとって酷な気もしますが、為替リスクのあるはずの米国株式のリスクが日本株を下回っているのは意外な感じがします。

この現状を見せつけられてしまうと、インデックス投資系ブロガーの間で、株式の国際分散投資の意義が広く認められ、受容されるに至ったのも納得のいく話です。

海外の株式に手軽かつ低コストで分散投資できるようになっているのを知らなければ、長期投資に対する信仰のようなものを形作るのは難しいでしょう。

バブル経済後の日経平均株価を見て、「長期投資は無意味」、「安く買って高く売らないと儲からない」という認識を普通の投資家が持つのも無理がない話に思えます。

最近の日本株の乱高下ぶりはまるで新興国株式のようだと感じる人は私も含め少なからずいるようですので、これを機に日本株集中投資から国際分散投資の道へ進まれる方がいるとうれしいです。

国債分散投資は債券クラスでも重要

外国債券は外貨建てですから、当たり前ですが為替リスクは存在します。

国際的な株安によるリスクオフの円高局面では、円建て換算での債券パフォーマンスがマイナスに振れます。

そのため、株安時にポートフォリオに働くマイナスインパクトを抑える役割を債券に担わせている人にとっては、外債は全く役に立たない資産クラスだといえます。

国際的な株安局面ではありませんが、ニッセイ外国債券インデックスファンドの過去1年のパフォーマンスは円高のあおりを受けて-8.62%と好ましくないものになっています。

一方、SMTグローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)は+1.45%とまずまずのパフォーマンスです。

上の2つのファンドは、シティ世界国債インデックス(除く日本)に連動しています。

為替ヘッジをしているかいないかで、両者の間に、10.07%もの差ができるわけですから、円高局面での為替ヘッジの威力を実感させられます。

債券の長期的な期待リターンは理論上、内国債も外国債も変わりません。

しかし、一国集中投資では戦争などの突発的な要因でドカンと損する可能性があります。

詳しくは、下の吊られた男さんの記事をご参照ください。

参考 吊られた男の投資ブログ (インデックス投資) : 現金や債券は株式より危険かもしれない

「内債と外債の期待リターンは同じだから外債はいらない」、「GPIFは国債運用に徹するべき」といった主張をする人(同一人物ではありません)はこの危険性を認識していません。

しかも、こういった隠れリスクは、予測不能で債券価格に織り込まれていませんからリスクに見合うリターンを得ることはできません

債券クラスでの国債分散投資のムーブメントを広げていくためにも、円高・株安時の抑え役となる為替ヘッジ付き債券インデックスファンドのさらなる低コスト化が期待されるところです。

その点、信託報酬(税抜)が0.25%の「ひとくふう世界国債ファンド(為替ヘッジあり)」は為替ヘッジ付き(日本債券も投資対象ですが)にしてはコストが安いため、なかなか好感が持てる存在で、将来の運用成績にも期待したいと思っています。

参考 低コストアクティブ投信「ひとくふう世界国債ファンド(為替ヘッジあり)」には期待したい

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