なぜ日本人投資家は日本個別株に集中投資してしまうのか

『R25』が個人投資家200人(投資家歴3年以上のキャリアを持つ20~40代男性)に、これまでの投資経験を踏まえて人に勧めたい投資先を聞くアンケートを実施したようです。

結果を見る前からなんとなくわかっていたことでしたが、1位の座を手に入れたのは日本の個別株でした。

それも、2位以下に圧倒的な大差をつけた圧勝でした。

1位 国内の個別株 318pt
2位 国内のETF(上場投資信託) 60pt
3位 国内の債券 41pt
4位 海外の個別株 40pt
5位 国内のREIT(不動産投資) 31pt

参考投資家200人に聞く! 人に勧めたい投資先TOP5 | 東証マネ部!

日本個別株を推奨する理由は?

記事の中で、回答者が「国内の個別株」を選んだ理由についても触れられていますので、その中から2つピックアップしてご紹介します。

「国内の企業なら自分である程度研究し情報を集めることができるから」(33歳)

外国の企業に市場平均を上回ることを目指して、投資するのであれば、投資先の地域に適した言語を習得し、文化・風土に通暁したうえで、世界情勢を見据えなければなりません。

それを実行しようとすると、1銘柄に対して、週に1時間の研究を行う「バイ・アンド・ホームワーク」の世界の話になってしまいますから、普通の人には無理でしょう。

しかし、日本企業なら自力で企業研究を行って、良好なパフォーマンスをあげることができると考えることは私にはできません

直近の値動きに惑わされて、ウルフ村田氏が推奨するような急騰銘柄に飛びついて大きな損失を出し、人知れず市場から退場していく個人投資家は数多くいます。

仮に、真面目に企業研究を行い個別株に投資したとしても、市場平均という怪物を長期的にノックアウトし続けるのは至難の業です。

「一番身近なので、売り買いのタイミングがわかりやすい」(48歳)

身近に触れることのできる日本株の場合、24時間365日情報にさらされ続けるわけですから、これがいい方向に働くこともあるでしょうし、悪い方向に働くこともあるでしょう。

「悪材料が出て、株価が急落したのを受けて、株を売り払ったらそこが底値だった」というような現象は市場にはありふれています。

日本株の売買コストは外国株のそれに比べると明らかに安いですから、短期売買を誘発する遠因にもなるでしょう。

日本人のホーム・バイアスは突出している

全世界の時価総額ベースを基準にすると、どの国の投資家も自国資産に偏重して投資を行ってしまうものです。

資産運用の本質―ファクター投資への体系的アプローチでは、米国、英国、日本の投資家が世界市場ポートフォリオよりオーバーウエイトで自国株を保有していることが紹介されています。

  • 米国の投資家:外国株の割合は12%(世界市場における米国を除く外国株の割合は50%)
  • 英国の投資家:外国株の割合は30%(世界市場における英国を除く外国株の割合は92%)
  • 日本の投資家:外国株の割合は10%未満(世界市場における日本を除く外国株の割合は90%以上)

日本人はバブル経済の終焉後、国際分散投資の有効性をまざまざと自覚させられたはずなのに、何とも残念な結果(外国株が10%未満ということは日本株保有割合が90%!?)となってしまっています。

日本株に投資妙味を感じて、あえてオーバーウエイトで投資しているなら、何も問題はありませんが、ETFやインデックス投信を用いて簡便な方法で国際投資を行うことができると知らずに、日本株オンリーの投資法に傾倒しているのであれば由々しき問題です。

金融について、ろくな知識のないまま実践の世界に放り出された結果が、日本株100%ポートフォリオであり、バイナリーオプション詐欺です。

今日では、金融について学びたがらない「積極的無知」と呼ばれる態度が日本人の中で定着していますから、公教育で幅広い視点から金融について教える機会があってもよいと私は思います。

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コメント

  1. もす より:

    天井高値の米株買うより
    日銀様が買い支えてくれる日本株買うほうが少なくとも今はいいんじゃないでしょうか

    • わかま屋 より:

      もすさん、コメントありがとうございます。
      日本株も日銀の買い支え効果で、随分と底堅くなっているのは最近感じています。
      しかしながら、今は日本株のみのポートフォリオを構築するほど、日本株を全力で買い進めていく時期だと私は考えていません。
      結局、個人の相場観の相違という話になってしまいますが、アメリカ株も日本株も割高に思えるのです。
      多くのアナリストが予想した「トランプ暴落」が起こらなかったことからわかるように、暴落が今年来るのか、5年後10年後に来るかは正確な時期は誰にも予測できません。
      暴落で資金を投入できるタイミングが事前にわからないなら、労働報酬を元手に国を分散して資金投入していくほかありません。
      という考えから、私はブログ上で国際分散投資を推奨しているのです。