見えてきた 「賃上げETF」の輪郭

現在、日銀のETF買い入れに向けて、投資や賃上げに積極的な企業を集めた新しいETFの組成が急がれています。
新ETFに組み込まれそうな具体的な銘柄や過去のパフォーマンスといった情報が日経新聞に出ていましたので、ご紹介します。
「賃上げETF」の難題 日銀の補完措置、副作用も 証券部次長 川崎健

SMBC日興証券の伊藤桂一氏はJPX日経インデックス400の構成銘柄について設備投資額と総給与などをもとに候補を推定した。それによると400銘柄のうち94銘柄が対象になるという。業種では小売りや自動車部品が目立つfc2blog_20160117140824c7d.jpg
興味深いのはその94銘柄の昨年の平均パフォーマンスがJPX日経400を10%強上回ったことだ。伊藤氏は「株価が堅調だった小売りが多く含まれるのが理由だろう」という。

一方で、設備投資を積極的に行ってきた企業群の過去約20年のパフォーマンスは劣悪なものだったようです。

野村証券の村上昭博氏の試算によると東証1部企業で設備投資の前年度比増加率の高い企業を買い、低い企業を売った投資家は過去約20年でお金を半分失ったことになる。村上氏は「設備投資がその後の利益成長につながらなかったからだろう」と理由を分析する。
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賃上げ関連銘柄と設備投資関連銘柄を寄せ集めたETFがどのようなものになるかはわかりませんが、長期的に市場平均を上回ると確信できるような材料はなさそうです。
売り逃げ戦術を使わないタイプの投資家は新ETFに手を出さない方がいいと思います。
また、当ブログ管理人は、市場の価格形成原理をゆがめる「賃上げETF」の買い入れに反対する立場をとっています。

おわりに

もし、あなたが売買タイミングを適切に判断できる投資家であれば、日銀によって作られる市場のゆがみに着目して新たな収益機会をつかむのもよいかと思います。
案1. 日銀のETF買い入れに先回りして、インデックスの対象となりそうな株式を購入する。ただし、多くの投資家も同じことを考えていると思われるのでバリュエーションに注意。
案2. 異次元緩和の出口が見えてきて、日銀保有のETF売却が現実的になったときにショート。
うまくいったとしても、全世界の株式に分散投資したポートフォリオのパフォーマンス(インフレ調整後の期待リターンは年利5%前後)を上回ることができるかはわかりませんが…

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