【いい会社】iシェアーズ MSCI 米国 ESG セレクト ETF(KLD)が市場平均にノックアウトされる悲劇

以前書いたiシェアーズ・米国航空宇宙・防衛ETF (ITA)のパフォーマンスがすごいという記事が反響を呼んでいるようです。

参考

【L】レバレッジ投資実践日記:不人気セクターへの投資は報われる!?

ゴミ投資家の長期投資ブログ: 不人気セクターへの投資は報われるのか!?刑務所REIT編

多くの投資家は軍事産業銘柄のイメージの悪さに二の足を踏んで、実際の投資には至りませんから軍事産業銘柄の高値掴みリスクは低くなります。

上に引用したツイートのような「破壊」が「生産」を上回るはずがないという一見もっともらしく聞こえる主張は、少なくとも過去のデータ上は当てはまらないようです。

今回は逆に、ESG投資をするETFを紹介しつつ、「いい会社」への投資がパフォーマンスによい影響を与えるのかどうか見ていきます。

取り上げるのは、環境、社会、企業統治の面で好ましい特性を持つ米国株式に投資(タバコ会社は除外)するETF、「iシェアーズ MSCI 米国 ESG セレクト ETF(KLD)」です。

基本情報

設定日:2005年1月24日

連動指数:MSCI USA ESG Select Index

銘柄数:112

純資産総額:$372,132,362

総経費率:0.50%

12ヶ月分配金利回り:1.53%

参考 iシェアーズ MSCI 米国 ESG セレクト ETF

構成上位10銘柄とセクター別比率

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構成上位の10銘柄がポートフォリオに占める割合は3割程度と、比較的分散度は高い印象です。

しかし、米国株時価総額ETFのVTIは3654銘柄に投資するため、構成上位10銘柄が占める割合は15%だけですから、分散度ではKLDは敗北しています。

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セクター別の比率では、時価総額モノで1位の座にある金融セクターに替わって情報技術セクターがトップに躍り出ています。

KLDは、情報技術セクターを選好している模様です。

しかし、このアクティブな運用はパッシブ運用ETFに打ち砕かれています(過去のデータ的には)。

過去10年の比較チャート

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69.99%の成績なのが赤線のVTI、61.42%の成績なのが青線のKLDです。

年率換算だと0.8%程度、ESG投資ETFのKLDが市場平均に劣後しているという残念な結果となっています。

VTIはアメリカ株を投資対象とする時価総額ETFとしては、コスト・銘柄数ともに最高峰の商品ですから、かなりの強敵ですが、年率0.8%のアンダーパフォームのダメージは大きいといわざるを得ません。

おわりに

「いい会社」への投資という観点からポートフォリオを作るという制約を課してしまうと、市場平均を上回る成績を出すのは、なかなか難しいようです。

たばこ企業や軍需企業と違って、「いい会社」に投資する心理的ハードルなどありませんから、株価が企業の本源的価値以上に放置されやすくなります。

KLDは、社会の倫理的な発展を念願する人がリターン度外視で投資するにはいいかもしれませんが、そうした思想的なバックグラウンドを持たない普通の人が投資するべきETFではないと考えられます。

個人的には、すでに「いい会社」になった企業に投資するのではなく、これから「いい会社」になる企業に投資するのなら、市場平均を超越できるような気がします。

しかし、どの企業が「いい会社」になるのか、未来の正確な予測は不可能ですから、一般の人はESG投資は控えておいた方がよいでしょう。

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