ウィズダムツリーが日本拠点を閉鎖。スマートベータは死に体。

海外ETF投資家にはおなじみの大手ETFプロバイダーのウィズダムツリーが、今年9月末までに日本の営業拠点を閉鎖します。日経平均株価のレバレッジETFが個人投資家の人気を集めていることからわかるように、日本に長期投資は根付いていないのが実情です。ウィズダムツリーは「貯蓄から投資」への社会的ビッグウェーブが起こる兆しのない日本を見限って、限られた経営資源を欧州のETFビジネスの拡大に振り向けることにしたようです。

参考 米ETF大手、日本拠点閉鎖へ(市場点描)日本経済新聞

ウィズダムツリーはスマートベータETFの大手

ウィズダムツリーは、高配当やクオリティなどスマートベータ系の指数に連動するETFを数多く提供していることに特徴があります。これらのETFは競合するETFがほとんどないため、経費率はスタンダードな時価総額系の指数より割高になってしまいます。

昨今の相場情勢を顧みると、スマートベータ系のETFで選好されるようなバリュー・高配当系の株より、無配のハイテク株が圧倒的に優位なパフォーマンスを発揮しています。運用成績の停滞を反映してか、一昔前はよく耳にしたスマートベータという言葉もすっかり聞かなくなってしまいました。

ハイテク銘柄の無双相場がなければ、ウィズダムツリーの日本拠点も多少は延命できたかもしれませんが、すべては終わったこと。今更どうしようもありません。私はウィズダムツリーの選択を尊重したいと思います。日本拠点が閉鎖されるだけで、ウィズダムツリーのETFに投資できなくなるわけではない(と思う)のですから、騒ぎ立てるようなことではありません。

「貯蓄から投資」へのビッグウェーブは起きそうにない

日本では、「投資=ギャンブル」という社会的な認識があります。実際、退屈なインデックス投資より、レバレッジETFの短期売買や高金利通貨にレバレッジをかけて投資するスワップ投資など、派手な投資手法が人気を集めているようです。一番最近の例でいえば、トルコ・リラへのスワップ投資で大きな損失を出した投資家がいるようです。こうした投資家が出るたびに「投資は危険」、「投資はギャンブル」というネガティブイメージが民衆の中で増幅されていきます。

そうした逆風が吹き荒れる中でも、iDeCoや積み立てNISA効果で、インデックス投資は知名度を上げてきていると思います。しかし、いまだ発展途上であり、成熟化の段階には至っていません。インデックス投資界隈から聞こえてくる「低コスト」を叫ぶ声はライブハウス並みの爆音ですが、ウィズダムツリーの提供するスマートベータ系ETFに厚い信頼を寄せる投資家はそう多くはありません

インデックスファンドの低コスト化もそろそろ限界に達してきているように思いますので、スマートベータ系ETFに目を向けてくれる投資家が少しでも増えてくれると嬉しいと私は思います。

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