テーマ投資のFOLIO、「兵は神速を貴ぶ」を実践するSBI証券(S株 Now!)により土俵際まで追い込まれる

FOLIOは「10社で構成されたテーマに、10万円から投資」をコンセプトに誕生した新しい証券会社です。7月7日にβ版のサービスが開始され、11月中旬に正式にサービスを開始する予定となっています。今現在、β版の登録者に対しては順次、口座開設の案内がされています。多くの人が口座開設を待つ状態は「行列ができる証券会社」とも称され、利用希望者側がやきもきする一方で、FOLIO側は確かな手ごたえを感じていたことでしょう。

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えげつない丸パクリ戦法に出たSBI証券

FOLIOの基本的なコンセプトは「単元未満株制度を利用して、10社で構成されたテーマに、10万円から投資」です。今回、全く同様のコンセプトを元に、ネット証券の雄であるSBI証券がテーマ投資の世界に乗り出してきました(はっきり言って丸パクリの域)。

SBI証券が展開するテーマ投資サービスの名称は「S株 Now!」となっており、9月30日13:00からサービスが開始される予定となっています。

参考SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)|S株 Now!

投資にあたっての取引手数料は、売買代金の0.5%(税抜)となっており、FOLIOと全く同様の水準となっています。FOLIOはNISA口座への対応は明言していませんが、SBIがもともと抱える単元未満株取引のシステムを拡張するような形で展開されるであろう「S株 Now!」はNISA口座に対応します。なお、「S株 Now!」で用意されているテーマ数は30とのことです。

私は短期的な売買を誘発しやすいテーマ投資と長期投資向けのNISA制度との相性は悪いと考えているので、NISA口座への対応に関してはどうでもいいと考えています。しかし、SBI証券がここにきてテーマ投資に対する布石を打ってきたことは、正式なサービスの開始を11月に控えるFOLIOにとっては大きな痛手となるでしょう。

口座開設がままならない「行列」状態のFOLIOに対して、SBI証券はすでに口座を持っている人も多いうえ、新規に口座を開くにしてもFOLIOより所要日数は断然早いでしょう。

SBI証券は、心憎いことに、サービス開始を記念して10月2日~10月31日までの期間、「S株Now!」の買付手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施します。テーマ投資に興味はあっても、FOLIOに口座を開設できていない、まだ様子を見ている人々をごっそり奪うための施策として、買付手数料のキャッシュバックキャンペーンは有効に機能するでしょう(買付手数料が無料だと、とりあえず買ってみるかとなりやすい)。

おわりに

私はデザインやユーザーインターフェイスに関しては、多くの人がSBI証券ではなく、優秀なデザイナーを擁するFOLIOに軍配を上げると思います。

正式なサービス開始という万全の迎撃体制が整わないFOLIOに先制攻撃を仕掛けてきたSBI証券。SBI証券が規模の大きさを背景に戦いを優位に進めることが予想されますが、FOLIO側もただでは転ばないでしょう。両社が切磋琢磨するテーマ投資戦争が、投資家の利益に資するものになることを今はただ祈るだけです。

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