SBI証券がFOLIO(フォリオ)を模倣して作った、テーマ投資サービス「S株Now!」を使ってみた

SBI証券は、単元未満株制度を利用して、SBI側が用意した合計で30種類のテーマに関連する銘柄への投資を行うことができる「S株Now!」というサービスを9月30日から開始しました。テーマ投資に興味・関心を持つ者として、ひとまず、「S株Now!」を触ってみましたので、その感想を交えつつ記事を書きたいと思います。

有望企業10社への分散投資は努力目標

「S株Now!」での投資単位は10万円コース、20万円コース、30万円コースと3種類用意されており、各テーマごとに最大で10銘柄に投資することができます。

たとえば、「フィンテック」の10万円コースで、投資対象となる銘柄と数量の内訳は下の画像のようになっています。

「S株Now!」とFOLIOは、両サービスともに、有望企業10社への分散投資をコンセプトとして掲げています。しかし、「S株Now!」では、FOLIOとは違い、10銘柄に分散というコンセプトが厳守されていないようで、テーマによっては10万円コースで8銘柄にしか投資できなかったりもします。

注文の取消、テーマの売却は地獄絵図になる

「S株Now!」でブロックチェーン、情報セキュリティ、フィンテックのテーマに投資を行い、満足顔の私でしたが、買い注文後にあることに気づきました。注文照会画面でどのように今回の3テーマへの買い注文が処理されているか、確認すると、通常の単元未満株として、今回買いを入れた28銘柄が処理されているのです。

誤発注などでテーマへの投資を取り消したい場合には、銘柄への買い注文を一つ一つ「取消」していかなければなりません買付注文がテーマごとに一括でできるので、その取消も一括入力でできるものだと思い込んでいた私にとって、これは大きな失望を生み出す結果となりました。

サービス概要のページにおいても、注文の取消は一括で行えない旨が明記されています。さらに衝撃的なことに、テーマ構成銘柄ごとの一括売却もできず、銘柄ごとに売却の注文を行う必要があると記されています。

注文取消 注文の取消は一括で行えません。1銘柄ずつ取消をお願いいたします。
一括売却 テーマ構成銘柄ごとの一括売却はできません。保有銘柄から個別に売却をお願いいたします。
注文照会/約定履歴 テーマ毎ではなく1銘柄ずつ表示されます。(注文番号はテーマではなく銘柄ごとに付与されています。)

参考SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)-オンライントレードで株式・投資信託・債券を-

購入時の取引は複数の銘柄に一括でできるますが、売却時は通常の単元未満株のように銘柄ごとに売却の注文を行わなければなりません。まさに、「行きは良い良い帰りは恐い」型のサービスだといえましょう。

おわりに

通常の単元未満株取引のシステムを増改築するような形で、SBI証券は「S株Now!」のサービスを開始したのでしょう。そのため、投資後の処理は通常の単元未満株の扱いに移行してしまうようなので、非常に面倒な、使いやすさのないサービスとなってしまっています。

以前、「S株 Now!」が発表された際には、正式なサービス開始前のFOLIOにとっては大きな痛手となるのではないかという論調で記事を書きました。

参考テーマ投資のFOLIO、「兵は神速を貴ぶ」を実践するSBI証券(S株 Now!)により土俵際まで追い込まれる

しかし、「S株 Now!」を実際に使うことで、このサービスの使いにくさを身をもって実感し、テーマ投資専業のFOLIOにはまだまだ大きな優位性があると思いようになりました。SBIのテーマ投資サービスは、劣化パクリの域を出るものではなかったのです。

SBI証券は、テーマ投資という外見は模倣できても、「難しい」、「わかりにくい」、「使いにくい」があふれている日本の投資シーンをわかりやすく、使いやすいものに変えるというFOLIOの創業理念までは模倣することができなかったようです。

FOLIOは正式なサービスの開始を11月に予定しています。FOLIOのサービスが開始されるその日こそ、「S株 Now!」の命脈が断たれる日になることでしょう。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ

コメント

  1. あや より:

    はじめまして。

    S株 Now!もFOLIOも日本株式のみなので触手が動きません。
    外国株式も入ったら、0.5%ではできないんでしょうが・・・

    One Tap BUYの方が興味があります。
    手数料は同じ0.5%だし・・・(単純比較してはいけませんが)

  2. わかま屋 より:

    あやさん、コメントありがとうございます。

    日本株に対する投資意欲がなく、One Tap BUYが取り扱う米国株30銘柄のうちに、投資したい銘柄があるのであれば、One Tap BUYを選ぶべきでしょう。One Tap BUYは、投資のベテラン勢から投資可能なセクターの偏りも指摘されていたりはしますが、投資に慣れ親しむためのサービスとしては悪くはないでしょう。

    ただ、FOLIOの社内では、米国株の取り扱いの検討もしているとのことなので、あえてFOLIOで日本株に投資して今後の存続とサービスの拡大を応援するのも一つの手ではあると思います。
    http://www.toushin-1.jp/articles/-/4015