『eMAXIS シリーズ』が“受益者還元型”の信託報酬を導入する朗報!!と思ったらそうでもなかった

三菱UFJ国際投信が運用している『eMAXIS シリーズ』で“受益者還元型”信託報酬率の導入が決定されました。

「受益者還元」システムの導入で、各ファンドの残高が一定の水準を超えると、信託報酬が自動的に引き下げられていく仕組みになるようです。

<各ファンドの残高> ・・・ <新たな信託報酬率の導入>
500 億円以上 1,000 億円未満の部分 ・・・ 超過部分につき 500 億円未満部分対比で 0.02%引下げ
1,000 億円以上の部分 ・・・ 超過部分につき 500 億円未満部分対比で 0.04%引下げ
※ 表記は全て税抜

参考 『eMAXIS シリーズ』における“受益者還元型”信託報酬導入に関するお知らせ(PDF)

最初は喜んだけど、現実に引き戻される

ファンドの多角化路線に舵を取り、コスト競争からは完全に手を引いた感のあったeMAXISが「受益者還元」システムを導入したということで、私も初めは喜びました。

しかし、ツイッターで安房さんのツイートを見かけて、一気に現実に引き戻されました。

今回導入された新制度では、ファンドの純資産が500億円を突破していかないと、コスト低下の恩恵を被ることができません

『eMAXIS シリーズ』の場合、最も純資産総額が多い「先進国株式インデックス」ですら、312.42億円しか純資産がありません。

つまり、現時点ではどのファンドもコストが引き下げられないということです。

三菱UFJ国際投信の考えを想像する

三菱UFJ国際投信としては、低コストなニッセイやたわらの台頭によって、投資魅力が薄くなったeMAXISをテコ入れする姿勢を見せて、投資家を引き留める必要があります。

しかし、収益を損ねるリスクを背負ってまで低コスト化を推進していくつもりはありません。

苦肉の策として編み出されたのが、将来的にコストを低減させていく可能性がある「受益者還元」システムということでしょう。

 先進国株式に「受益者還元」が適用されるのは2年後くらい?

2016-06-18_09h38_19

出典 eMAXIS 先進国株式インデックス | eMAXIS

上に転載したのはeMAXIS 先進国株式インデックスの基準価額と純資産総額のチャートです。

青い純資産総額の推移の線を見ていくと、純資産総額が500億円を突破するのには、あと2年くらいはかかりそうな気がします。

ニッセイやたわらが登場してしまった今となっては、コスト面での魅力はありませんから、新規積立設定はあまり見込めないかもしれません。

しかし、「少しコストが下がったくらいで投資先ファンドを変更したくない」という人はeMAXISに追加の投資をし続けるでしょうから、そのうち純資産が500億円を突破することもあるでしょう。

おわりに

私は、コスト競争から降りた『eMAXIS シリーズ』に対する興味をあまり持っていませんが、eMAXISのファンドに長期投資する人にとっては、今回の“受益者還元型”信託報酬率の導入は朗報でしょう。

ただ、最近の円高進行で評価損益が、プラスマイナスゼロ付近やマイナスになっている人は海外ETFへの資金の移動を考えてもいいかもしれません。

VTなら総経費率がたったの0.14%で、全世界の株式7500銘柄に投資できます。

たとえば、eMAXIS 先進国株式インデックスの場合は信託報酬が0.6%(税抜)ですから、VTへの投資にあたって、片道25ドルの売買手数料を払ったとしても長期投資スタンスならむしろ旨みの方が大きいといえます。

これでは、ファイティングポーズは見せたけど、実質、やる気無しと受け止められかねません。と言うか、私にはそう見えます。

引用含み損が増えて哀しくなったら考えてみたいこと: NightWalker’s Investment Blog

投資資金を引き揚げるのは投資家の自由ですから、eMAXISに拘束されている資金がある人は「失望売り」してみるのもいいかもしれません。

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