【実効性は?】×eMAXISが信託報酬を引き下げ〇eMAXISが「受益者還元」を拡大

三菱UFJ国際投信が展開するインデックスファンドシリーズ、eMAXIS(イーマクシス)の全ファンドに「受益者還元型」信託報酬制度が適用されるようになると日刊工業新聞によって報道されているようです。

参考 「eMAXIS」シリーズの全インデックスファンドの信託報酬引き下げ! – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

これ自体は決して悪いニュースではありませんが、eMAXISの全ファンドに“受益者還元型”信託報酬が適用されるようになるというのは、昨日今日入ってきた新しい情報ではありません。

6月15日の段階で、『eMAXIS シリーズ』の既存ファンドでの新たな信託報酬率の導入に先立ち「eMAXIS 豪州債券インデックス/先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)/新興国債券インデックス(為替ヘッジあり)」を設定すると、三菱UFJ国際投信からプレスリリースが出ています。

ちなみに、「受益者還元型」信託報酬とは、各ファンドの純資産 500 億円以上 1,000 億円未満の部分について適用する信託報酬率を年0.02%(税抜)引き下げ、1,000 億円以上の部分については年0.04%(税抜)引き下げるというものです。

参考 『eMAXIS シリーズ』における“受益者還元型”信託報酬導入に関するお知らせ

純資産500億円を超えているファンドは残念ながらない

eMAXISシリーズでは最も規模の大きいファンドである「先進国株式」でも、純資産は323億円にとどまります。

次点の「TOPIX」では、純資産は283億円となっています。

インデックス投資家にも定評のある人気バランスファンド「バランス(8資産均等型)」の純資産は191億円です。

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出典 eMAXIS 先進国株式インデックス | eMAXIS

上に転載した基準価額のチャートは「eMAXIS 先進国株式インデックス」のものですが、円高傾向による基準価額の低迷によるものなのか、純資産は350億円の壁を超えることができていないようです。

500億円越えの時期はいつになるのか、少なくとも今の段階だと具体的な輪郭が見えてきません。

純資産が500億円を超えなければ、「受益者還元型」信託報酬は適用されないのですから、三菱UFJ国際投信はうまい手を考えたものです。

信託報酬引き下げには痛みを伴います。

たわらやiFreeなど低コストファンドが乱立する昨今では、ネット証券だけでなく地銀にも販路を持つeMAXISはコスト競争に付いていけていませんでした。

しかし、実現性の低いエア信託報酬引き下げなら、失うものはありません。

信託報酬引き下げのハードルは高いが、引き下げ幅は狭い

また、純資産500-1000億円のゾーンに適用される信託報酬引き下げが年0.02%(税抜)でしかないのも、私のがっかり感を増幅させます。

もし仮に、私がeMAXISに数百万を超える規模の投資をしていたら、バンガードの超低コストETFに乗り換えるでしょう。

どれだけの期間待てば、コストが安くなるのか不透明なファンドに投資するより、いまコストの安いETFに投資した方が、精神的にも運用パフォーマンス的にもよい結果が得られると思います。

VT(経費率0.14%の全世界株式ETF)に特定口座で投資した場合、米国株式の貸株サービスが始まるSBI証券なら、0.3%の貸株金利を受け取ることが可能です。

SBI証券が破たん状態になった際に、投資資金を回収できるかわからないという貸株のリスクを追加で取ることができるのなら、-0.16%のマイナスコストでのETF運用が可能となります。

もし仮に、貸株を利用しないとしても、VTの場合、実質コストに相当する経費率が0.14%ですから、信託報酬が税抜0.6%のeMAXIS 先進国株式や税抜0.4%の「eMAXIS TOPIX」との間には越えられない壁が存在しています。

低コストさを重視する投資家なら、eMAXISに見切りをつけなければならない段階に入ったといえるでしょう。

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