eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは受益者還元型信託報酬の発動で単独1位の高みに上る

海外ETFに投資する超低コスト投信「EXE-i つみたて先進国株式ファンド」に対抗するため、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは今年1月30日から信託報酬(税抜)を0.1890%から0.1095%に引き下げます。これはEXE-i つみたて先進国株式の税抜換算の信託報酬と同一の数字ですから、同率1位の座を両ファンドで分け合うことになります。

 

株式にマザーファンド経由で投資する通常のインデックスファンドが、株式ではなくETFに投資するファンドに信託報酬で対抗するのは思い切った行動だと思います。しかし、この行動に感心すると同時に、どうせなら単独1位のファンドに投資したいという贅沢な欲求も生まれてくるのもまた事実です。

「受益者還元型信託報酬」の評価は良くなかったが……

eMAXIS Slim 先進国株式を同率1位から単独1位の座に押し上げる要素として、「受益者還元型信託報酬」があげられます。「受益者還元型信託報酬」とは、純資産総額が増えると、一定のラインを超えた部分について、信託報酬が低減されるという仕組みです。

参考交付目論見書(2017.11.10)

今までは、発動要件が厳しいうえに、信託報酬の低減の恩恵を受けられる部分が限られていることから、「受益者還元型信託報酬」など存在が眼中にありませんでした。本家eMAXISに「受益者還元型信託報酬」が導入されると発表があった際にも、投信ブロガーからの評価は手厳しいものが大半を占めていたと記憶しています。

 

ですが、信託報酬を0.1095%に改定するという出血覚悟の戦略的値下げにより、先進国株式クラスでの低コスト競争が最終局面を迎えつつあるなか、「受益者還元型信託報酬」の持つ意義は急速に拡大してきているように思います。

 

昨年は今年から開始されるつみたてNISAを見据えて、コスト競争が一段と激化した年でした。インデックスファンド界の花形である先進国株式では、目まぐるしく最安ファンドが入れ替わる現象が発生し、投信ブロガー(ファンドの一覧表を作成しているような濃いブロガーは除く)ですら今、どのファンドが最安なのか把握している人は多くなかったと思います。

 

「コスト競争についていけない」という声も聞かれる中、eMAXIS Slimシリーズは複数の投信で最低コスト追従を実行に移すことで、最安投信の信託報酬を執拗に追跡するターミネーター投信シリーズとしての地位を盤石にしつつあります。コスト競争疲れが広まりつつある環境下で、eMAXIS Slimなら、最安ファンドと同率1位のコストで投資できるという印象を投資家に植え付けることに成功した意味は大きいものがあります。

「受益者還元型信託報酬」でSlim応援団が結成される

また、「受益者還元型信託報酬」という制度があるおかげで、投信ブロガーによる自発的な応援団を結成することも可能になるでしょう。

 

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドでは、純資産の拡大を支援して、コスト引き下げと運用の効率化という利益を得るため、熱心に宣伝、擁護する投信ブロガーがいます。今の時代、知名度の向上と純資産の拡大に投信ブロガーは無視できない影響力を発揮します。この活動はアフィリエイト収入を目的としない自発的な行為であるため、宣伝広告費もかかりませんから、ブロガーを抱き込むに越したことはありません。

 

当初は、コスト競争を阻害する邪悪なファンドとして、eMAXIS Slimシリーズに対するレジスタンス活動を展開していた私ですら、eMAXIS Slim 先進国株式の果敢な値下げ姿勢に感化され、恭順する姿勢を明確にしています(つみたてNISAの投資先にしました)。これからeMAXIS Slimは、ニッセイやたわらからの「寝返り」派やコスト競争疲れ派を取り込むことで一大勢力を形成することになるでしょう。

 

つみたてNISA制度をフルに活用するためには、一度投資した投資信託には20年もの長きにわたって投資を続けなければなりません。純資産拡大によって、eMAXIS Slim 先進国株式が500億円を突破すれば、突破した部分については、信託報酬低減の恩恵を受けることができます(信託報酬の改定後も今の0.005%の値下げ幅が維持されるかは定かではありませんが)。ファンドのスイッチングがつみたてNISAでは不可能ですので、自分の投資するファンドを宣伝して純資産の増大を図るインセンティブは自ずと大きくなります。

 

インデックス投資家たちのeMAXIS Slimへの転向が多ければ多いほど、「受益者還元型信託報酬」の早期発動にとって有利な環境となります。既に保有中の投信については、課税の関係でそのまま保有を続けた方が有利なこともあるでしょうが、先進国株式用の新規の投資資金については、eMAXIS Slim 先進国株式に振り分けることを考えてみてはいかかでしょうか。

 

以上、eMAXIS Slim 先進国株式の宣伝、擁護ブロガーのわかま屋がお送りしました。