10年連続で増配する企業に投資対象にする「S&P/JPX 配当貴族指数」には興味をそそられる

日本取引所グループとS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で開発した「S&P/JPX 配当貴族指数」というインデックスがあります。

2015年12月に算出が開始されたばかりの歴史の浅いインデックスですが、バックテストの結果的には「JPX/S&P 設備・人材投資指数」などより見どころがあると思います。

S&P/JPX 配当貴族指数の概要

S&P/JPX 配当貴族指数は、TOPIX構成銘柄のうち、10年以上増配または配当を維持した銘柄を組み入れの対象にします。

この指数は、S&P 500構成銘柄のうち、25年間連続で増配する銘柄に投資する本家「S&P 500配当貴族指数」には及びません。

しかし、組み入れ対象になっているのは、2007年から2009年までの世界金融危機を減配せずに乗り越えた企業ですから、財務基盤がしっかりして株主還元への意欲が高いことは間違いありません。

過去5年の年率換算のパフォーマンスとしても、S&P Japan 500を5.87%上回る良好な成績を収めています。

インデックス名5年 年次 リターン
S&P/JPX 配当貴族指数18.29 %
JPX/S&P 設備・人材投資指数13.66 %
S&P Japan 50012.42 %

連続増配年数と超過リターンの度合いは概ね比例

高配当株戦略の場合、単純に配当利回りが高い企業だけに投資すると、業績が悪化して表面上の配当利回りが高くなっているだけの企業にまで投資してしまって、リターンが損なわれることがあります(業績悪化で減配→株価下落のコンボ)。

しかし、増配株戦略の場合は概ね連続増配年数と超過リターンは比例する関係にあるようです(2009年4月以降という短い期間ですが)。

2016-06-05_08h55_09

出典 野村日本株連続増配インデックスを開発(PDF)

連続増配8年以上の企業に投資する場合、TOPIXに対する超過リターンは年率6%という見事な結果になります。

銘柄数は28銘柄にまで落ち込んでしまいますが、世界金融危機によるダメージを乗り越えて、毎年配当金を積み増してきた企業への集中投資は、市場平均であるTOPIXに投資するよりも低リスクかつ高リターンかもしれません。

下は、6年以上連続増配する企業を対象とするインデックスの「野村日本株連続増配インデックス」のリスクとリターンを示した図です(2001年1月~)。

2016-06-05_09h17_40

出典 野村日本株連続増配インデックス Factsheet(PDF)

将来にわたってこの結果が続くかは不透明ですが、分散投資よりも集中投資が低リスクなこともあるというのは知っておいても損はないでしょう。

国際分散投資×集中投資の組み合わせは相性がよさそう

政変・紛争などのカントリーリスクで思わぬ損失を被る可能性は、多国家にまたがる投資戦略を立てなければ無視できないレベルに高まりますので、依然として国際分散投資をする重要性はあります。

しかし、個々の投資先の国において、市場平均インデックスに投資する必要性を私は感じていません。

個別株での国際分散投資は、日本から外国株式へアクセスする環境が整備されていないことや多国家への分散投資をすると集中投資といえど、銘柄数が多くなることから現実的ではありません。

そのため、時価総額比率から離れて、アクティブに投資配分を決定するインデックス連動の海外ETFへの投資をしたいと考えています。

ファクター投資なら海外ETFという現状

ファクター投資をするのなら、日本上場のETFは流動性が低いうえ、バリエーションも少ないため、海外ETFに目を向けるしかありません

残念ながら、日本の証券会社から投資できる海外ETFは限られていますので、今後のラインナップ拡充に期待したいところです。

とりわけ、バリュー、クオリティ、ミニマム・ボラティリティという3つのインデックスに均等配分で投資するステート・ストリートのQuality MixシリーズのETFの取り扱い開始を希望しています。

S&P/JPX 配当貴族指数なり、野村日本株連続増配インデックスなりに連動する国内ETFも出来るだけ早く組成するべきでしょう。

設備・人材投資ETFの組成には各社、まれにみる熱心さで取り掛かるのですから、その熱意をファクター投資のツールの拡充の方にも振り分けていただくとありがたいですね。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ