不祥事企業の神戸製鋼所を組み入れている「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」は役に立たない

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を重視する企業へ投資するESG投資が機関投資家を中心に広がりを見せています。日本経済新聞によると、ESG投資に振り向けられた資金は約23兆ドル(約2600兆円)と世界の運用資産の3割に迫っているとのことです。

参考ESG投資、市場の3割に 専用株価指数、選別を加速  :日本経済新聞

機関投資家と「善良な市民」によって、ESG投資が広まることで、善行をする企業に市場から相応の評価が与えられるようになるのですから、ESG投資を行わない私でも、一市民としては恩恵を受けることができそうだと思います。ガバナンスがガバガバな企業が多い日本ですから、ESG投資が脚光を浴びていることは一定程度評価したいと思います。

神戸製鋼所はMSCIジャパンESG指数に今も組み入れ

神戸製鋼所は2017年6月時点のMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数の構成銘柄リストに記載があります。今月、神戸製鋼は、組織ぐるみでアルミ・銅製品などのデータ改ざんを行っていたことが判明しましたが、日本経済新聞によると、神戸製鋼はMSCIのESG指数に今も組み入れられているようです。

企業不祥事に関する評価項目は10点満点中の「4」だったが不正発覚を受けて見直された点数は「1」。指数から除外されるのは「0」に下がったときだ。神鋼が抱えている深刻な問題を見抜けず、株価は4割近く下がった。

不祥事の判明後、神戸製鋼の株価は急落していますから、今になってESG指数から除外するのも手遅れ感がありますが、ガバナンスがまともに機能していないであろう神戸製鋼がいまだに指数に組み込まれているのは強い違和感があります。

アクティブ運用のESGファンドであれば、仮に神戸製鋼を組み入れていたとしても、これだけの不祥事が判明すれば、手放しているはずです。インデックスを利用したルールベースのESG投資というのも、本来的には悪くはないはずですが、神戸製鋼レベルの不祥事を起こした企業がまだ指数に組み込まれているようだと、MSCIのESG指数の出来栄えに疑問符が付きます

ETFでの神戸製鋼所株の組み入れは0.2%以下

ダイワ上場投信-MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(3514)という「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」に連動するETFがあります。このETFにおける神戸製鋼の組み入れ割合は、9月末時点で0.1866%となっています。0.2%にも満たないわずかな組み入れですから、神戸製鋼株が暴落しようと、ETFの基準価額には大した影響はありません。

ですが、ETFの値動きに大した影響がなかろうと、ESG投資をしたがる個人投資家はロマン派の投資家が多いことを考えると、ETFの今後の人気には影響が出てきそうです(純資産が21億円程度しかありませんので、今後の人気がどうこう言っても仕方ない気もしますが)。

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