2006-2016年の期間だと新興国株式が最下位だけど、最少分散インデックスだとまさかのトップ

直近20年の新興国株式のパフォーマンスは先進国のそれと比べて、リスクが大きい割にリターンは小さいという残念なものになっています。

「世界の株式のリターンは長期的にみると同じだし、新興国はコストが高いからその分リターンが減殺されてしまう」、「新興国であげられた収益は先行者である先進国企業が吸い取ってしまう」といった主張に基づく新興国株式不要論も一部であるようです。

私は、新興国株式不要論にくみするものではありません。

BRICsブームの時代にあった新興国への過剰な成長期待は剥離して、現在は相応のリスクが意識されているでしょうから、リスクプレミアムの考え方からすると先進国株式よりも高いリターンが見込めるような気がするからです。

今回は、FTSEのサイトでインデックスの興味深いデータを発見しましたのでご紹介します。

情報源はFTSE Global Minimum Variance Index Series(PDF)です。

 最少分散インデックスだと新興国が先進国を上回る

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上のチャートは時価総額インデックスと最少分散インデックスの過去10年のトータルリターンを比較したものです。

一番上の赤色の線がFTSE Emerging Minimum Variance(新興国株式最少分散)です。

新興国株式インデックスのFTSE Emergingが最下位に沈んでいるのとは好対照ですね。

FTSE Emergingのシャープレシオは0.1、FTSE Emerging Minimum Varianceのシャープレシオは0.4ですから、最少分散指数の方はより効率の良い運用ができていたことになります(運用していればの話ですが)。

過去5年の年率換算リターンは、FTSE Emergingの方は-5.1%、FTSE Emerging Minimum Varianceは-0.1%と5%もの超過リターンがあります。

このPDFのデータを見る前から、なんとなく暴騰と暴落を繰り返す新興国株式は最少分散向きだとは思っていましたが、思った以上の効能があるのかもしれません。

おわりに

全世界株式や先進国株式でも最少分散指数が時価総額指数をアウトパフォームする現象が起きているようなので、少なくともこの期間は低ボラティリティ戦略は有効だったといえます。

ETFやインデックスファンドという簡便な手段で、一般の投資家も最少分散投資に乗り出すであろう今後もこの優位性が続くかは未知数ですが今後の運用成績には期待したいところです。

スマートベータ系のファンドには、好成績を見たイナゴ投資家が群がってきてしまって実態以上に高いところまで構成銘柄の株価が引き上げられてしまう可能性が指摘されているのでそこは注意しなければならないポイントですね。

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