「ミセス・ワタナベ」は円高目線に転じた

「ミセス・ワタナベ」とは、外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける日本の個人投資家のことです。
一人ひとりの運用資金は少なくても、国内FXではレバレッジを最大で25倍まで効かせられますから、総体としては巨大なマネーとなります。
そのため、為替相場のビックプレイヤーとして、海外の機関投資家からも注目されています。
2011年のある月のデータでは、日本のFX会社の取引高比率は外国為替市場全体の56%を占めるまでになっていたそうです(世界は日本のFX投資家「ミセスワタナベ」に注目している)。

平均的なFXトレーダーは半年もしないうちに、損失を出して市場から退出すると思いますが、新しい参入者(養分)の供給は絶えないようです。
FX業者の広告はインターネット上でもよく見かけますからね。

「ミセス・ワタナベ」の運用成績が落ちている

そんな「ミセス・ワタナベ」ですが、相場に明確な方向性がなかった2015年の運用成績はさえないものだったようです。
2016年、「ミセス・ワタナベ」の相場観に”はっきりと変化”

「2015年の投資成績」について尋ねたところ、「利益が出た」と答えた投資家は42.1%、「損失が出た」としたのは46.9%であった。前年の調査では、2014年の投資成績について「利益が出た」と答えた割合が55.1%と半数を越えており、2015年は投資成績がダウンした事になる。

FX個人投資家勢は、単純に米ドルに対する円安の進行にベットするだけでは、収益機会を得にくいと昨年の経験を通して、痛感させられたはずです。

「ミセス・ワタナベ」は円安を見離した

年初からの波乱相場を経て、「ミセス・ワタナベ」の相場観にも変化が現れてきたようです。
記事によると、2016年1月12日から19日にかけて、今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しに対する調査を行ったところ、円高予想(51.5%)が円安予想(27.3%)を上回ったのです。
円高予想が円安予想を上回るのは31カ月ぶりだそうです。
「ミセス・ワタナベ」は逆張り好きなことで知られていますから、異次元緩和の開始後に米ドル/円相場が円高に振れたときには、何度もドル買いが観測されています。
しかし、中央銀行に従うだけでは利益を得られないことにFX投資家が気付いた今となっては、円安という国策をさりげなく支えてきた「ミセス・ワタナベ」の助力は、もはや期待できません
「何でもやる」と言いながら、結局何もしない黒田総裁の姿勢は、市場に見透かされています。
日本の経済政策は日銀の金融緩和だけが支えているのが現状ですから、不安定な状況はまだまだ続きそうです。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ