日本生命→発電所や上下水道のファンド(年利10%以上)、太陽生命と大同生命→未公開株ファンドに投資【マイナス金利後の運用】

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タカちゃんさんの記事で知りましたが、 マイナス金利の導入を受けて、生命保険会社や損害保険会社の日本国債離れがどんどん進んできているようです。

参考 アキバ系投信自作派 : 生保や簡保は次第にリスクが高い運用に手を出してきた

ポートフォリオ・リバランス効果の発現

10年物国債の利回りは-0.13%(5月4日時点)とマイナスに沈んでしまったため、機関投資家が資産を増殖させるツールとしては役に立たないものとなってしまいました。

30年物国債ですら、0.26%という雀の涙のような利益しか生み出さない有様ですから、ポートフォリオの中の日本国債の割合を減らして、株式や外貨建て資産への投資を増やす必要があります

日銀が無理やりマイナス金利を導入してきた背景には、マネーを日本国債からリスク資産にシフトさせるポートフォリオ・リバランスを促進する狙いがありましたが、それがかなり効いてきているようです。

社債も含めた国内債券全体でみれば、明治安田生命が横ばいのほかは、日本生命、第一生命、住友生命の3社は減少としている。

その一方、各社はこぞって外国債券投資を増やす方針を打ち出している。10年債で利回りが2%前後で推移する米国債が中心になるが、さらに2%台半ばのオーストラリア債なども候補という。

参考 生損保が「国債」にそっぽを向きはじめた 「マイナス金利」がもたらす外国債券投資5兆円のリスク : J-CASTニュース

為替ヘッジを付けて、同じマイナス金利通貨であるユーロ建てのフランス国債に投資するのが流行っているという記事をどこかで目にしたことがありますが、メインの投資先としては為替ヘッジ付きのアメリカ国債を選好するようです。

為替リスクはリターンを引き上げませんから、為替リスクを排除する保険料として、ヘッジコストを負担して債券のリターンを目減りさせるのは賢明な判断といえます。

もともと、日本国債に投資していた各社のリスク許容度は低いはずですから、マイナス金利後の運用法としてはこれがベストに近い形だと私は思います。

外国債に投資するのは○、うさんくさい投資は×

信頼度の高い国が発行する債券にヘッジ付きで投資するのは、全く問題ないと思いますが、高利回りを狙うイールド・ハンティングの流れを受けてか、妙な所にまで投資しようとしている会社があるようです。

2015年度に約4000億円を成長分野に振り向けた日本生命も、年10%以上の利回りを期待できる発電所や上下水道などに投資するファンドに投資する考えだ。大手以外でも、太陽生命と大同生命は中小企業の未公開株投資ファンドに計60億円を投じる計画という。

「年10%以上の利回りを期待できる発電所や上下水道などに投資するファンド」という言葉から醸し出されるうさんくささは異常なレベルです。

年10%以上の利回りが本当に存在するなら、投資家のマネーが濁流のように殺到して、そんな高利回りはたちまち消滅してしまいます。

株式投資の実質期待リターンは5%程度であることを考えると、日本生命は投資を考える前に詐欺を疑う必要があるでしょう。

未公開株投資ファンドはTOPIXを超えられない予感

中小企業の未公開株投資ファンドも、投資対象としては微妙な感じがします。

国内のバイオテクノロジー、ヘルスケア・医療領域における未上場企業のうち、レイターステージ(比較的短期間で株式公開等が予想される段階)の未上場企業への株式投資を行う「トランスサイエンス未公開株ファンド」という投資信託があります。

しかし、その運用成績はどうしようもないポンカスです。

5年年率のトータルリターンは-2.16%という逆方向に驚異的な成績となっています(配当込みTOPIXは11.47%)。

基準価額の推移を見ればわかりますが、運用成績が好転する兆しはありません。

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出典 トランスサイエンス未公開株ファンド 月報

未公開株ファンドというと儲かりそうな気がする人も多いとは思いますが、実際にそうなのかはデータがないのでよくわかりません。

未公開株ファンドで下手に運用するよりも、TOPIX連動のETFでも使ってつまらない運用をした方が好成績を収められる可能性が高いでしょう。

ポートフォリオ・リバランスは大惨事を招く?

マイナス金利の導入後に、国債からそれ以外のリスク資産にシフトする流れが起きているのは間違いないでしょうが、それは一抹の不安を残すものです。

発電所や上下水道のファンドや未公開株ファンドに投資しようとしているのは、運用担当者の知識・経験の不足を露呈したものでしょう。

高利回りに目がくらんで、AIJ投資顧問のような詐欺業者の被害にあわなければいいのですが・・・

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