ゆうちょ銀行がプライベート・エクイティとヘッジファンドに投資というカモネギ状態に

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マイナス金利導入後の日本国債の運用難を受けて、ゆうちょ銀行が6月にも、未上場の企業に投資するプライベート・エクイティ(PE)投資に乗り出すようです。

参考 ゆうちょ銀行がプライベート・エクイティ投資を始めるワケ

newspicksでのコメントを見るに、ゆうちょ銀行が直接、未上場企業に投資するのではなく、PEファンドへ投資する形を取るようです。

ヘッジファンドや不動産投資信託(REIT)も活用へ

ゆうちょ銀行は企業や個人への融資業務が禁止されていて、もともと日本国債への依存度が高かった(「運用資産約205兆円のうち約84兆円が国債での運用」)ので、マイナス金利の最大の犠牲者といえるでしょう。

今後は、債券や株式に代わるオルタナティブ投資を拡大するため、PE投資だけでなく、ヘッジファンドやREITへの投資も年内に開始するようです。

オルタナティブ投資を拡大していく背景には、為替差損を回避する狙いがあるようです。

米国債など外債は円高が進むと評価損が出る。このため新たにPEやREITなどのオルタナティブ投資を加速し「SPを最適化する」(佐護勝紀ゆうちょ銀副社長)方針だ。

ゆうちょ銀のサテライト・ポートフォリオ(SP)には株式や外国証券が組み込まれていますから、分散効果を発揮させるために、値動きが多少違うオルタナティブ投資を組み入れていく意義はないとはいえません。

REITぐらいなら別にかまいませんが、運用コストが高いであろうプライベート・エクイティとヘッジファンドへの投資には全く賛同できません

なぜなら、シンプルに低コストなパッシブ運用に徹した方が、リターンは高くなる可能性が高いと思うからです。

オルタナティブ投資をせずとも、外国証券には為替ヘッジをすれば、為替リスクは無視できます。

株式なら近頃、機関投資家の間で流行している最少分散投資でもすればリスクを時価総額ポートフォリオより抑えることができます。

高コストな投資はリターンを食いつぶす

アメリカ最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は、ヘッジファンドへの40億ドル (約4300億円)の投資をすべて引き揚げると2014年に発表しています。

仕組みがむやみに複雑で運用コストが高いうえ、カルパースの資金規模が大きすぎてファンド側が効率的な運用ができないのがその理由です。

参考 米カルパース、ヘッジファンド運用停止 4300億円分  :日本経済新聞

多くのヘッジファンドは、ぼったくりレベルの成功報酬に見合った運用成績を出せません

カルパースがヘッジファンドから撤収してから2年遅れて、オルタナティブ投資を拡大していこうとしているゆうちょ銀行の運用センスは金融後進国らしくはありますが、ほめられたものではありません。

加えて、ゆうちょ銀行の運用資産は巨大すぎて機動力がないため、PEファンドとヘッジファンドが効率的な運用ができないでしょう。

高い手数料を取られるだけ取られて、全世界株式の平均リターン(MSCI ACWI)に劣後する運命にあるのは、ほとんど目に見えています。

今回の動きには、日銀が目指したポートフォリオ・リバランスの効果がはっきりと出てはいますが、前途洋々とはいかないようです。

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