ゆうちょ銀行が代替投資を始めるのは別に構わないが、GPIFの代替投資拡大には?

マイナス金利の影響で、国債中心の運用では十分な収益を確保できなくなったゆうちょ銀行は、リスク資産への投資を増やしています。

投資先を広げて収益拡大と同時にリスク分散も進めるという目的で、ゆうちょは今後5年程度で国内外の不動産や未公開企業などの代替投資に最大6兆円を投入するようです。

また、GPIFも代替投資を積極化していきます。

現在、約140兆円の運用資産のうち、代替投資の割合は0.04%となっているところ、ポートフォリオの5%(昨年末時点で約7兆円)を上限に代替投資を増やしていく見込みです。

参考 リスク資産に最大6兆円 ゆうちょ銀、運用難で 不動産やインフラ 代替投資、公的年金も7兆円 :日本経済新聞

買い煽りする内藤忍氏

ワイン投資を推奨していたことで一躍有名になった内藤忍氏はこのニュースに敏感に反応して、買い煽りに利用しています。

個人投資家が先行して投資しているオルタナティブ投資商品としては、国内の不動産や太陽光発電投資事業などがあります。これらの投資対象は金融資産に比べ流動性が低く、投資金額が大きいというデメリットがありましたが、その反面相対的に高い利回りが享受でき、借入を使ったレバレッジ投資ができるメリットがあります。

この分野に巨額の資金が流入してくれば、どのような事態が起こるかは、誰の目にも明らかです。

引用 ゆうちょ銀行と公的年金もついに「ハイブリッド投資」開始

上に引用した文章では、オルタナティブ投資では流動性が低く、投資金額が大きいというデメリットがある代わりに、金融資産より相対的に高い利回りが享受できるとしていますが、本当にそうなるかは不透明です。

なぜなら、オルタナティブ投資は、株や債券などペーパーアセットへの投資より高コストな傾向があるからです。

内藤氏のような金融ビジネスを生業としている人には、代替投資はいい商品です。

しかし、投資家側としては自分が手に入れられるリターンがその分減るわけですから、リスクの割に収益が少ないという惨事になります。

おわりに

ゆうちょのような民間企業であれば、運用をどうしようがある程度は勝手にすればいいと思いますが、公的年金を運用するGPIFがオルタナティブ投資を拡大していくのは賛同できません。

ポートフォリオの期待リターンを引き上げる必要があるのなら、シンプルに株式投資の割合を引き上げるという選択をすればよいのではないでしょうか。

野党には株安による損失の拡大ではなく、GPIFの代替投資積極化についての追及をしてほしいものです。

パッシブ運用であるなら、株式投資の拡大に私は反対しませんが、見えている地雷にしか思えないオルタナティブ投資の拡大には反対の声をあげていこうと思います。

オルタナティブ投資には分散効果があるという謳い文句に釣られて、「クジラがカモに変わる瞬間」を見たくはありませんからね。

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