トランプ相場を経ても運用成績プラスの個人投資家が4割しかいないという悲惨

波乱含みだった2016年も本日で終了となります。

2016年の日経平均株価、NYダウ平均株価のチャートを見ると、今年はむやみに損きりをしないことを信条とする長期投資派に有利な展開だったことが伺えます。

特に毎月、投資信託の積立を行う国際分散投資家は、結果的に株安・円高局面で資金投入ができた分おいしい思いができているかもしれません。

日経平均株価もNYダウも、2月の相場急落、6月のブレグジットショック、11月のトランプ氏の大統領当選と、ことあるごとに乱高下していますから、大暴落の不安に駆られて底値売りをしてしまった人も多いでしょう。

また、大統領選挙前に損失リスクを抑制するための試みとして、株式を手放してしまった人はその後のトランプラリーと呼ばれる急激な株価上昇の恩恵を十分に享受することはできなかったでしょう。

インデックス投資家と米国株長期投資派は、年の途中に低い価格で買い込んだ株や投信が年終盤のトランプラリー効果で含み益状態になっている人が大半でしょう。

しかし残念なことに、2016年の運用で利益を得られた個人投資家は4割しかいないようです。

乱高下に翻弄され、安値売り

日経生活モニターに登録した読者へのアンケート調査(回答者646人)によると、運用する資産全体の成績が今年プラスを確保した人の比率は43%(グラフB)。15年(54%)、14年(65%)を下回ったが「プラスマイナスゼロ」(31%)が最も多く、「10%未満のプラス」(27%)が2位。11月以降の円安・株高で持ち直した人が一定割合いたことがうかがえる。

参考個人投資家、トランプ相場でひと息 4割がプラスに|マネー研究所|NIKKEI STYLE

昨今の好調な相場にもかかわらず、損失を出している投資家がいる原因は、日本株一極集中による分散の不足と相場の見通しの誤りによる損切りでしょう。

福岡県の会社員Tさん(65)は「年末にかけてここまで株価がV字回復することは読めず、秋口にパナソニック株やANAホールディングス株を損切りしてしまった。保有し続けていれば……」と悔しがる。

日本株はバブル崩壊後は最高値を更新しないレンジ相場でしたから、「安く買って高く売る」という行動特性が日本人投資家のDNAレベルにまで浸透してしまっています

これがたとえば、先進国株式インデックスや新興国株式インデックスへの投資であったら、過去のリターンから、いつ買っても20年後には利益を生み出しているという想像が働きますから、考えなしの損切りには走らなかったかもしれません。

インデックス投資の「市場平均」をなめたらいかん

同じアンケート調査での「今年運用した金融商品は?」の回答は、日本株が71%となっており、2位の円預金(37%)、3位の日本株投資信託(22%)を大きく引き離しています。

日本株で運用するのもいいですが、多くの個人投資家にとってはインデックス投信でのバイ・アンド・ホールドが最良の結果をもたらすでしょう。

インデックス投資家は市場平均に追従することを目的に、市場インデックス連動の投信・ETFを買い込み、使う必要が出てくる(主に老後が想定される)ときまで暴落が来ようとホールドする戦略を取ります。

インデックス投資家が狙う「市場平均」とは、機関投資家も含めた平均値ですから、個人投資家のみに限定した運用成績ランキングではインデックス投資家が半分より上に位置する可能性が高いと思います。

終わってみれば何ということもない今年の相場で、運用成績がマイナスだった、プラスマイナス0だったというインデックス投資家は少ないと思われます(TOPIXは年初来でマイナスになっていますが、国際分散投資のスタイルを取るのが一般的なので影響は限定的)。

バフェットはS&P 500インデックスへの投資を推奨

自分の相場観に自信が持てなくなった人や個別株投資で損失を出した人は、インデックス投資家に転向することを考えたほうがいいかもしれません。

アメリカの大御所投資家ウォーレン・バフェットは、今年4月のバークシャー・ハサウェイの年次総会でS&P 500のインデックスファンドへの投資を推奨しています。

アメリカ人が自国通貨でS&P 500に100%投資するのはいいかもしれませんが、日本人がS&P 500に100%投資することは為替リスクの関係もあるので、個人的にはあまり賛同できません。

日本株投資家は市場平均越えの野望や個別株投資の愉しみから、あえて投資信託やETFに背を向けているのだろうと想像します。

市場平均に劣後した投資家の方は、50%はマーケットインデックス連動の投資信託やETFに投資を行い、残りの50%の枠で好きに個別株投資を行うというスタイルに切り替えてみてはいかがでしょうか。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ