「高く買って安く売る」:投資信託に投資する人々は有力な逆指標

投資信託への資金の流出入について、相場が上昇局面にあると、資金の流入が増えるといわれています。逆に、相場が下落傾向になってくると、資金の流入は減ります。その動きが極端になってくると資金は流出へと転じます。この「高く買って安く売る」現象は個人投資家の運用成績を下げる大きな要因となっています。

日本経済新聞によると、今年1月の上場投資信託を除いた投信購入額は1兆1132億円であり、売却額(9946億円)を差し引いた純資金流入額は1186億円です。これは、日経平均がバブル後安値(7054円)を付けた2009年3月以来の低水準とのことです。また、2月の流出入は15日時点で約1400億円の純資金流出となっているようです。

参考 1月の投信購入額、10年ぶり低水準 相場急落で買い手控え日本経済新聞

己を律せないと「高く買って安く売る」を実践してしまう

投資で収益を上げるコツは「安く買って高く売る」という言葉に凝縮されています。「安く買って高く売る」ことを目指す意識の温度差はあるでしょうが、インデックス投資だろうと、アクティブ投資だろうとそれが重要であることには変わりありません。

投資信託への資金の流入・流出の動向は、投資家の心理を鏡のように正確に映しています。

相場が下落傾向になると、メディアやアナリストは今後の相場動向について、後追い的にネガティブな見解を流布するようになっていきます。自分が投資をするにあたっての情報源として普段、頼りにしている人々が不安をあおるような情報を発信しているのですから、個人投資家は平常心を保てなくなります。

後から見ると、投資家たちが投信から逃げ腰になった局面は、むしろ買い場であることが多くなっています。己の感情のままに動く投資家は、有力な逆指標にはなりえても、資産を形成することはおぼつきません。

自分の行動規範となる確固たる軸が必要だ

下落相場で投信から撤退するという戦略を私は否定するものではありません。しかし、相場の潮目の変化を読み取る能力のない大多数の投資家にとって、その戦略は無意味どころか、有害なものにさえなるでしょう。

大多数のドライバーが「自分は平均より運転が上手だ」と思っているのと同様、大多数の投資家は「自分は平均より投資が上手だ」と思っています。投資をするうえでは、己の力量を正しく見極めることが重要だと思います。

その結果、「自分は平均より投資が上手だ」と思う方は好きなように投資すればいいでしょう。

自分の投資の力量を信頼できない人にも、それなりの戦い方があります。相場局面に関係なく、ひたすら資金を投入し続ける積立投資や資金をひたすら塩漬けにし続けるバイ&ホールド投資法が有用な手法となるでしょう。

どのような投資戦略をとるにせよ、行動規範となるような確固たる軸を自分の中に形成していなければ、風にあおられる凧のようにフラフラと右往左往するだけです。相場の急変時に狼狽しないためにも、行動方針を確立しておきましょう。

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