まだソーシャルレンディングで消耗してるの?-クラウドクレジットの欧州3か国個人向けローンファンド(ハイイールド型)で想定以上の延滞債権が発生-

2016年7月に当ブログ管理人は、ソーシャルレンディング事業者のクラウドクレジットが提供する【為替ヘッジあり】欧州3か国個人向けローンファンド6号(ハイイールド型)に投資していました。

10万円以上投資すると、3000円を手に入れることができる「キャッシュプレゼントキャンペーン」と10.9%という表面上の高い期待利回りに釣られて、ソーシャルレンディングの危険性を自ら人柱となって体験し、日本全国津々浦々に発信しようという崇高な使命感から、投資に踏み切ることにしたのです。

1月13日にクラウドクレジットから、ファンド組成時の想定を上回るペースで、延滞債権の発生と延滞期間の長期化が進行しており、実際の運用利回りが期待利回りより低下する、場合によっては返済総額が当初出資金を下回る可能性もあるという連絡が入りました。

この事例を題材に、ソーシャルレンディングへの安易な投資を戒めるためにも記事にすることにしました(自分への強烈なブーメラン記事でもあります)。

クラウドクレジットからの案内の中身

クラウドクレジットのサイト上では一般公開されていないようなので、メールに添付されていたPDFの内容をかなり長くなりますが、転載したいと思います。

・2017.1.15追記:サイト上に公開されておりました→欧州3か国個人向けローンファンド ハイイールド型(全号共通)|クラウドクレジット

【運用環境について】

本ファンドは、Bondora AS が運営する P2P レンディングマーケットプレイスを通じてスペイン、フィンランド共和国及びエストニア共和国の個人向けローンを 8 つのリスクグレードに分類し、その中から最もリスクの高いグレードのローンに投資するファンドです。現状、本ファンドではスペインに81.2%、フィンランドに 14.7%、エストニアに 4.1%の割合で貸付債権を有しております。本ファンドは 2015 年 4 月から運用を行ってまいりましたが、2016 年 12 月時点においてファンド組成時の当社想定 を上回るペースで延滞債権の発生と延滞期間の長期化が進行してまいりました。本営業者のエストニア 子会社は、現地パートナーである Bondora AS を通して、延滞している債権回収額の最大化を図るとともに、長期間の延滞を継続する債務者に対して法的措置を含めた対応をとっております。このような状況下においては債権の回収に相応の時間を要することや、エストニア子会社が保有する債権に貸倒れの可能性が上昇していることから、保有する債権が将来生み出すキャッシュフローに対する不確定要素が多くなっております

【当社の対応】

本営業者は、本ファンドについて「延滞債権発生率の上昇」と「延滞期間の長期化」が急速に進行したことで、将来にわたって受け取る元利返済金の減少と回収期間の長期化は避けられないものと判断いたしました。つきましては、今月期以降、毎月配当可能な現金財産を各号ごとに按分したうえで、当初の各号ごとのエストニア子会社からの貸付金返済スケジュールの元本返済に対応する出資金を分配し、将来において本ファンド全体(全号数)での実現損益が確定したところで、その損益を按分して分配することといたしました。具体的な分配方法としましては、まず 2016 年 12 月期の分配時点において本ファンド全体が保有する現金財産を各号の出資金残高で按分しエストニア子会社内に各号分として留保します。
来月期以降新たに回収された資金は、来月以降の月の各号の出資金残高で同様に按分し各号分として留保します。
このように留保した資金から当初予定されていた各号ごとのエストニア子会社からの貸付金返済スケジュールの元本返済に対応する出資金の返済期日に従って出資金のみを優先的に返済いたします。
ここにおいて当月期(2016 年 12 月期)以降、上記の方法で出資金の返済を行った後で各号ごとにエストニア子会社に現金財産が残る場合は、翌月期以降の出資金の返済に備えて留保いたします。このとき各号の投資家様の間での公平性を期すため、当月期を含む将来の月に分配予定の無い号に関しても次回分配予定日までファンド全体から按分された資金を留保いたします。そして全ての号の出資金を返済したのちに残余財産がある場合、お支払いすることができなかったエストニア子会社貸付からの利息に対応する利益の分配を行います。
なお、当面、投資家様への返済を出資金に限定する理由は、ファンド全体の返済原資が限定されている中で、子会社からの利息に対応する利益を分配した場合、投資家様において源泉徴収税の負担が生じ、その分トータルでのネット(手取り)の受取り額が減少してしまうので、それを避けるためです。また将来の個人向けローンの回収金の額が未確定の中で、来月以降返済期日が来る出資金の返済原資を減らさないための措置でもあります。
当月期(2016 年 12 月期)のファンド全体の按分額の決定に関しましては以下の表をご参照ください。

【今後の見通し】

本ファンドにおいて延滞債権の増加により当初予定していた利息収入を満額獲得することが困難になったため、運用利回りが当初の期待利回りに対して低下することは避けられない状況にあります。今後、延滞債権発生の推移と Bondora AS による回収事業の進み具合によって実現利回りは非常に大きく上下することが予測され、場合によっては返済総額が当初出資金を下回る可能性も生じます
なお、分配金はユーロを円貨に転換しファンドごとの分配スケジュールに従いお支払いいたします。
(この際、出資金の返済に為替差益が発生した場合には、それは利益として認識されますので源泉徴収税が控除されます。)
当月出資金の返済(分配)のある号の投資家様には分配金レポートをお送りいたしますので、分配額の詳細は分配金レポートでご確認いただければ幸いです。今後とも弊社業務に対するご理解・支援を賜りますようお願い申し上げます。

クラウドクレジットが提携会社のBondora ASを通じて投資している個人向けハイイールドローンにおいて、延滞債権の増加が想定以上に増加して、期待利回りが低下する、場合によっては元本割れするという内容です。

当ファンドに投資されていた方の記事にあるように、元々どの程度の貸倒れを織り込んだ商品設計だったのか、現在どの程度の遅延、貸倒れが発生しているかについての言及は一切ありません。

そもそも今回の
延滞債権の発生と延滞期間の長期化が
当社の予定を上回るペースと記載されているが
予定の割合と現状が全く記載されていない

予定通りに行っていないという報告だけで
詳しい数字が全くないです。

どれぐらいの金額が戻ってきていないのか?
何パーセントぐらいの人が延滞しているのか?

わかりにくい文章よりも数字の方が
投資家には伝わると思います。

参考クラウドクレジットより最悪なメールが届く! | ソーシャルレンディング実践記 ピンチだけど…チャンスッ…

また、貸倒れの発生確率に見合うだけの貸出金利をそもそも確保できていたのか、その点に関する検証もありません。

リーマンショック級の経済危機が発生したならやむをえないことですが、現在のような平常時にこうした元本割れ危機に陥ってしまっているのであれば、根本的な商品設計が甘すぎると言わざるを得ません。

社長の杉山智行氏はこの知らせが投資家に届いた同日に、ソーシャルレンディングがミドルリスク・ミドルリターンといわれる理由という記事を投稿しているようですが、宣伝記事を書く暇があるのなら、今回の件に関して、積極的な情報提供を行っていただきたいものです。

ちなみに、この記事では下記のようなことを主張されています。

・ローンに投資を行う際も、株式投資を行うときと同様に分散投資がとても大切
・きちんと投資対象が分散されていれば、ローン投資は肌感覚と比べて大幅な損失を被るリスクはかなり小さい

ソーシャルレンディングで分散投資を行うのであれば、インデックスファンド、ETFによる国際分散投資を行った方が遥かに楽なうえに、運用コストも低く、妙な事業者を経由して投資するリスクもありません

アフィリエイト収入で儲かるのはインデックス投資ではなく、ソーシャルレンディングですが、投資家がより高い収益を期待できるのはソーシャルレンディングではなく、インデックス投資のように思えます。

更新情報はこちらから入手できます

こちらの記事もどうぞ

コメント

  1. […] 017/1/14):まだソーシャルレンディングで消耗してるの?-クラウドクレジットの欧州3か国個人向けローンファンド(ハイイールド型)で想定以上の延滞債権が発生 […]

  2. まさ より:

    今日東京の運用報告会に行ってきました。延滞債権の区分分けしたパーセントを説明されていました。
    どちらかというと貸し倒れの前にどの程度延滞利息を含めた回収と法的手段に回収額の方向性が見えない中で配当は明らかにすることができないので元本返還を優先する方向性のようです。今回の出資で自分が投資家で貸金業だった。運用期間の変更もあれば、踏み倒しもある。延滞している回収方法だっていろいろな世界にアマチュアが参戦したことだと痛感しました。電話等で確認されることをおすすめします。

    • わかま屋 より:

      まささん、情報提供ありがとうございます。
      ソーシャルレンディングの場合は、投資家も事業者もまだまだ経験不足で手探り状態になりやすいのは致し方ないことなんでしょうね。
      時価評価額が現時点でいくらになっているかわからないのも、こうしたトラブルが生じた場合には、不安が煽られます(ソーシャルレンディングの性質上どうしようもないとは思いますが)。
      ソーシャルレンディングに手を出すなら、株や債券にも幅広く分散したポートフォリオを構築するのが無難だと思いました。

      • まさ より:

        仰る通り同感しました。
        高いリターンに目が奪われますが、ウェブにある運用報告では外貨建てはリターン確保しているが為替で損失もありますしね〜。
        運用手数料も考慮せねばならず
        ただ社長さんも金融規制の中できる情報開示やわかりやすさの追求は志向しているようで、そのあたりは、信頼度が上がるようなコメントもありました。
        こういう業態が他者にないので不安な点は沢山ですね

  3. まさ より:

    連投 失礼します

    下記の該社のブログによれば貸出金利63%から想定金利20%とし、45%を貸し倒れと
    していた様子です。(該社利益分を込みにしています)
    https://crowdcredit.jp/blog/entry/258/

    今日の説明会資料では以下の通り
    単純平均貸付金利 63% (想定通り)
    延滞なし債権  27%
    延滞1-60日債権 13%  
    延滞61-180日債権19%
    延滞181日以上債権41%

    とすると、正常債権 27% 延滞債権 73%
    貸出先はスペイン、フィンランド、エストニアなどだそうです。
    延滞債権73%から延滞利息を含めた回収を行い、法的処置で差し押さえた
    物件を競売などして現金化したうえで、貸し倒れになるものが45%に収ま
    れば想定通りとなるはずですが、昨今の欧米の低金利政策などで、高い金利
    の貸し出し需要が少なくなったうえに、P2Pレンディングのコモディティ化
    で資金が流れ込んでいる。住宅ローン同様、早期繰り上げ返済など、いろいろ
    要因が絡んでいるという内容でした(詳細は該社にお問い合わせください)

    私も北欧ファンドが投資先を追加するときに詳しく聞いたら、メールや
    分配レポート見てください、説明会で話していますと答えがあり、こういう情報
    は足で取らなきゃダメなんだなとその時思ったので、今日は説明会にいった次第
    でした。

    • わかま屋 より:

      説明会資料で公開された数値のご提供、ありがとうございます。
      私以外の読者の方にも、とても参考になります。
      具体的な数字が出てくると、実態以上の不安におびえる必要もありません。
      私の投資する「【為替ヘッジあり】欧州3か国個人向けローンファンド6号(ハイイールド型)」だと、運用期間が2019年7月末まであるので今後、延滞度合いがどのように推移していくのか注視していく必要がありそうです。
      こういった情報を説明会限定公開にする意味はないと思うので、クラウドクレジット社にはインターネット上でも積極的な情報開示をお願いしたいところです。
      居住する地域によっては、セミナーに足を運びにくい人もいるでしょうし。

  4. […] まだソーシャルレンディングで消耗してるの?-クラウドクレジットの欧州3か国個人向けローンファンド(ハイイールド型)で想定以上の延滞債権が発生 […]