大盤振る舞いなキャッシュバックで不審の声が上がっていたソーシャルレンディング業者のみんなのクレジット、詐欺だった

3月24日に、証券取引等監視委員会がみんなのクレジットを金融商品取引法に基づき、行政処分行政処分するよう金融庁に勧告したようです。ソーシャルレンディングは、個人投資家から資金を集めて、事業者に貸付を行い、収益の一部を個人投資家に還元する仕組みをとっています。

今回、事案が発生したソーシャルレンディング業者のみんなのクレジットは、出資金に応じて、大盤振る舞いすぎるキャッシュバックキャンペーンを行っていたことで知られています。みんなのクレジットが提供するファンドの利回りは7-9%程度のようですので、これにキャッシュバックのお金を加味すると、ビジネスとして成り立っているのか、疑問を呈する声も聞かれました(参考:長期株式投資の収益率はインフレ率控除後で5%程度に過ぎない)。

代表の白石伸生氏の懐にファンドの出資金が流れる

ZUU onlineに今回のみんなのクレジット事案の概要を短切にまとめた記事がありましたので、以下に引用します(太字はわかま屋)。

出典ソーシャルレンディング事業者の代表が集めた資金を自身の口座に送金指示と指摘 | ZUU online

勧告によると、同社は集めたお金のほとんどをグループ会社に貸し付ける予定だったにもかかわらず、複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示をし、貸倒れリスクが分散されているかのような誤解を与える表示をしていた。

法律の都合上、ソーシャルレンディングでは貸付先の事業者を明示することができません。みんなのクレジットでは、この制約を悪用して、グループ企業への貸付を実行していたのでしょう。貸付先がどの企業なのかが事前にわからない貸金ファンドというのもおかしな話ですから、関係法令の改正が待たれます。

また代表の白石伸生氏が、ファンド出資金について、親会社の社員に指示を出し、自身の預金口座及び自身の債権者に送金させている状況が認められたという。

みんなのクレジットのファンドは、フィンテックとソーシャルレンディングのブームに乗じて作られた白石伸生氏のための「お財布」だったというわけです。

このほかにも、ファンドの募集を開始して以降、キャッシュバックキャンペーンと称して、顧客に現金を還元していたものの、現金還元の原資を検証したところ、親会社に貸し付けたファンド出資金が同社に還流していたとされている。

みんなのクレジットが人気を集めた背景に、出資金に応じた手厚いキャッシュバックキャンペーンがあったことは間違いありません。

キャッシュバックがファンドの運用収益から出されているのなら、全く問題はありませんが、実態はファンドの出資金がみんなのクレジット社に還流しているだけの「タコ足」方式だったようです。持続性のなさが常々、指摘されている毎月分配型投資信託のタコ足配当と同様に、みんなのクレジットの「タコ足キャッシュバック」にも明るい未来はありません

みんなのクレジットにだまされるな

正直に告白すると、私は、キャッシュバックキャンペーンに釣られてみんなのクレジットに口座を開設しようかと考えたことがあります。しかし、一時的なキャンペーンではなく、ほとんど常設的なキャンペーンとして気前のよいキャッシュバックを行っているのはあやしすぎると口座の開設には至りませんでした。

ファンドに投資している資金が返済されたら、即座に出金するという未来に希望を持った見解がみんなのクレジットへの出資者のブログ等では散見されます。しかし、白石伸生代表の懐にファンドの資金が流れている点を鑑みると、資金が戻ってくる可能性が低いとみるのが正しいでしょう。これは、単純な事務的ミスではなく、悪意を持って行われた投資詐欺なのです。

監視委によると、同社は組成したファンドの償還資金や貸付先の親会社の債務超過状態を解消するための増資資金などにも出資金を充てており、投資家保護の観点でも問題が認められたという。また、親会社の貸借対照表上では短期借入金が流動資産を大きく上回っている状況だといい、今後ファンドからの貸付金の返済が滞る可能性が高いと指摘している。

出典証取監視委、みんなのクレジットの行政処分を勧告  :日本経済新聞

今回の証券取引等監視委員会の勧告を機に、出資者が蜘蛛の子を散らすように逃げていくでしょうから、みんなのクレジットの経営状態はますます悪化していくでしょう。

みんなのクレジットでは、投資詐欺が露見した現在になってもファンド資金の募集が行われています。みんなのクレジットへの投資は全くおすすめできませんので、皆様もお気をつけください。

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